東京都北区のJR田端駅北口付近にある公衆トイレ脇にこのほど、エレベーターが設置され、駅の南西側に面した高台との高低差約10メートルにわたるバリアフリーが実現した。高台地域に住む人たちの悲願を、“公明区議3代”が24年にわたりバトンをつないで果たした。 ■高低差10メートルをバリアフリー化/設置場所が難航、公明区議の提案で決着 JR田端駅北口を出ると、南西側に高低差10メートルほどの高台が広がる。高台には住宅のほか商店が並ぶが、駅と高台を往来するには、階段を上るか、急勾配の坂を歩行するしかなく、高齢者やベビーカー利用者は一苦労。小倉スヨさん(95)は「坂を上がる時は何回か休みながら歩いていた」と振り返る。 今回設置されたエレベーターは、定員15人で、自転車1台を乗せることもできる。合わせて、3階の降り場から私道への段差を区が平らに改修したほか、点字ブロックを新設。ベビーカー利用者や視覚障がい者などが通行しやすくなった。シルバーカーを押す菅野光子さん(86)は「すごく助かります」と笑顔。つえを使用する市川三夫さん(92)は「悲願のエレベーターでした」と喜ぶ。高台に暮らす松本清美さん(64)は「車いすの人から『ありがたい』との声を聞いている」と話した。 エレベーター設置は一筋縄ではいかない経過をたどり、これに向き合ったのが3代にわたる地元公明区議だった。始めは、2002年6月定例会で堀内勲区議(当時)がバリアフリー化を主張。これを受け、区は工事に着手するも付近の建物の基盤が支障となったため中止に。その後、区が18年に別の場所に設置する計画を発表したのに対し、土屋敏区議(同)が同年6月と19年2月の定例会で早期推進を促したものの、付近のビルのオーナーなどの同意が得られず二つ目の計画も頓挫した。 「高台に住む人たちのために」。この先輩議員の思いを継いだ熊木貞一区議。初当選直後の19年6月定例会での質問を手始めに、計画の実現に向け、区とともに知恵を絞り合った。設置場所を思案し続けていた20年1月、同駅で朝の駅頭あいさつに立っていた時、ふと思い立った。「ここになら」。同年3月の予算特別委員会で「駅前公衆トイレの場所に設置できないか」と提案。区は、この提案を受け入れ、21年に当初の整備計画を撤回。24年間、公明区議のつないだバトンがゴールに達し、エレベーター設置が実現した。