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(戦後80年--「平和の党」の旗高く=中)平和安全法制で国民守る/「安保対話機構」創設訴え/各国の信頼醸成進め紛争防ぐ
近年、日本を取り巻く安全保障環境はかつてないスピードで変化している。北朝鮮の核・ミサイル開発に加え、周辺国の軍事力増強が進む中、国際テロをはじめ、重要インフラや政府機関を標的としたサイバー攻撃への対処も急務だ。こうした脅威に対応し国民の命と生活、財産を守っていくには、日本の安全保障の基軸である日米同盟を強化し、抑止力を高めることが不可欠。そのために、公明党が推進、実現したのが2015年9月に成立した「平和安全法制」である。
平和安全法制によって日米防衛協力体制の実効性は格段に向上。平時から隙間のない体制を構築し、抑止力を高めることで、未然に紛争を防ぐ体制が強化された。
■専守防衛を貫く「新3要件」規定
法整備で公明党が一貫して訴えたのは、海外での武力行使を禁じた憲法9条の解釈の堅持であった。そこで憲法9条の下で許される自衛の措置について、武力行使は日本の存立を脅かす明白な危険がある場合に限定する「新3要件」を規定。これにより「他国防衛(集団的自衛権)」は認めず、「専守防衛」を貫く厳格な歯止めをかけた。
さらに平和安全法制には、自衛隊の活動を通じて国際社会に貢献していくことも明記された。一方で自衛隊の海外派遣が無制限に広がらないよう、公明党の主張で、国際法上の正当性の確保、国会の関与など民主的統制、自衛隊員の安全確保という派遣の3原則を盛り込んだ。
静岡県立大学の小川和久特任教授は「日本が国際社会から平和国家として信頼されるためのステップとして制定された意義は大きい」(23年10月30日付本紙)と評価している。
■国際社会の協調へ外交の積極展開も
一方、戦争や紛争を防ぐには、対話外交を積極的に展開することも欠かせない。公明党は対立を超えて、対話による国際社会の協調と平和を築くための新たな挑戦として今年5月、核廃絶やAI(人工知能)など17分野にわたる具体的な提言「平和創出ビジョン」を発表。その中核となるのが「北東アジア安全保障対話・協力機構」の創設だ。対立する当事者国が集う常設の対話の枠組みを築き、各国の信頼醸成を進めるのが狙いだ。ビジョンは、石破茂首相や各国の元首脳らでつくる国際人道グループにも手交した。
国連の中満泉事務次長(軍縮担当上級代表)は「国際秩序が大きく変動している重要な時期に平和創出ビジョンを発表するのは意義の深いことだ」と具体化へ期待を寄せる。
また、公明党は結党以来、日中国交回復など政党外交を通じて多くの国と友好関係を築いてきた。この10年間でも延べ30カ国を訪問。各国首脳と対話を尽くし、信頼を深めることができた。真の意味で戦争や紛争を防ぐのは、武力などの力ではなく、信頼にほかならない。その信念を貫きながら、公明党は平和を追求していく。