■3党連携し巨大与党に対峙/現場発の論戦、政治動かす 第221特別国会は25日に閉幕しました。高市早苗政権、巨大与党に対し、野党・公明党はどう臨んだのか。西田実仁幹事長に聞きました。 --国会論戦に公明党はどのように臨みましたか。 先の衆院選で、公明党が全面的に支援した中道改革連合は、比例区で約1043万票を獲得しました。国民の中道政治への期待を重く受け止め、特別国会では中道、立憲民主、公明の3党で緊密に連携。毎週のように幹事長会談を開催するほか、政策決定の仕組みとして「合同政調審議会」を作り、法案への対応を協議するなど、国民生活を最優先にする政治を貫き、政府・与党に対峙しました。 ■家計支援として給付の実施迫る --最大の焦点は物価高対策でした。 特に大きかったのが2月末、米イスラエルによるイラン攻撃以降の中東情勢の緊迫化です。この影響で原油高・物価高が進行。国民の暮らしを直撃し、中小企業の経営を圧迫しています。 政府が2月20日、国会に提出した2026年度予算案は昨年末に取りまとめられたもので、中東情勢を踏まえた対応が盛り込まれていませんでした。そのため、衆院では中道が予算案の組み替え動議を、参院では公明、立憲両党で修正案をそれぞれ提出しましたが、いずれも否決。政府・与党は同予算を強硬に成立させました。 ■(最大の政治課題、物価高への対応)中立公で個人・企業に原油高影響調査を実施。1.2万件超の声を集め、具体策を政府に提示。補正予算を編成させた そこで中立公3党は、中東情勢に伴う原油高影響調査を全国の地方議員と共に実施。1万2000件超の声を基に、政府に対し、電気・ガス代、医療支援などの具体策を求める緊急提言を申し入れ。国会論戦を通じ、家計・企業支援として即効性ある給付の実施とともに、補正予算の編成を強く訴えました。 政府は当初「補正は必要ない」と繰り返していましたが、ついに重い腰を上げ、補正予算を編成させたことは大きな成果です。ただ、その中身は歳出の大半が予備費の積み増しにとどまる代物。さらに、成立から50日以上たった今なお、物価高対策として1円も使われていません。物価高への危機感があまりにも希薄と言わざるを得ません。予備費を活用した迅速な給付など、物価高対策を求めていきます。 ■防災庁設置法など公明推進の法整備 --公明党が与党時代から取り組んできた施策の法整備が進みました。 例えば、大規模災害が頻発化する中、防災・災害対応の司令塔となる「防災庁」設置関連法の成立は、公明党が長年にわたり政府に対し、早期実現を働き掛けてきたものです。また、頼れる身寄りのない高齢者らへの支援強化などを盛り込んだ社会福祉法等改正法は、福祉の党・公明党として現場の切実な声を受け、より実効性ある制度構築へ法整備に取り組んできました。 このほか、公明党が強く訴え、昨年の国会で約20年ぶりの改正が実現した中小受託取引適正化法(旧下請法)が今年1月に施行。中小企業が価格転嫁しやすい環境整備をさらに進めてまいります。 現場で聴いた声を国政に届け、政策として実現する公明党の姿勢は、野党になっても一切変わりません。 ■法案修正協議など活躍した新人議員 --公明党の新人議員の活躍も光りました。 改正刑事訴訟法、改正個人情報保護法、健康保険法等改正法といった政府提出の重要法案に対し、公明党は国民目線で論戦を展開。法案修正や各党との協議にも真摯に取り組みました。とりわけ、佐々木雅文、川村雄大、司隆史、原田大二郎の4人の新人議員の活躍は目覚ましいものがありました。新人議員でありながら本会議で複数回の質問に立ち、足らざる部分のある法案に対して修正案を練り、各党との調整にも汗をかいてくれました。今後のさらなる活躍に大いに期待しています。 --高市政権では急激な円安も進んでいます。 高市政権は「責任ある積極財政」を掲げていますが、金融市場は冷ややかです。経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」から「財政健全化」の文言が消えたことに市場が反応し、長期金利は一時2・9%と約30年ぶりの高さに。為替相場は1ドル=163円台と、高市政権になって以来、対ドルで10%以上も下落しています。まさに「高市円安」です。総理は「日本列島を、強く豊かに」と言いますが、円は「弱く」、国民の暮らしは「苦しい」のが今の日本です。 --政府・与党の国会運営については。 自分たちがやりたい政策や法律の成立を最優先し、野党との国会日程の運びに支障を来した場面が目立ちました。通常1カ月ほどかけてしっかり審議する衆院の予算審議を2週間ほどで切り上げたことや、首相の国会出席の少なさがその代表例で、まさに異例ずくめ、国会軽視も甚だしい。与党の一部議員が“野党が審議拒否しているのは時代遅れ”と発言したようですが、相次ぐ出席拒否、答弁回避を続けていたのは政府・与党、高市首相の方です。 また高市首相は、中小政党を直撃する衆院比例定数の削減を強引に推し進める法案の成立を与党に指示し審議を強硬。野党の結束した対応に与党が折れ、同法案の特別国会での審議は見送られましたが、まだ諦めたわけではありません。権力を維持するためだけに都合のよい法案を無理やり通そうとする姿勢は、まさに民主主義の危機です。 マスコミも、自民・維新の姿勢は「到底許されるものではない」「自民が、維新の極端な主張に振り回される姿は異常と言うほかない」(6月18日付 読売「社説」)と酷評しています。 ■中立公3党の協議 ■政策や組織課題、近く中間整理へ --3党の合流に向けた協議の状況は。 1月に結成された中道改革連合は、当時の立憲・野田佳彦代表と公明・斉藤鉄夫代表が、衆参がそろって新たな中道政治を実現する政党を立ち上げようと合意し、スタートしました。衆院選後から、さまざまな機会を通じ、約半年間にわたり議論を重ねてきました。 6月26日の3党党首会談以降は、各党幹事長を中心とする組織課題協議会を毎週開催。「組織」「選挙」「政策」のテーマごとに課題を整理して議論しています。特に、安全保障やエネルギー分野など基本的政策の一致が重要であり、3党の政務調査会長間でぎりぎりの調整を加速化させています。 これまでの議論の中間的な整理を近く示します。次の臨時国会には新しい体制でスタートすべく、詰めるべき点について、さらに詰めてまいります。