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(「新生・公明党」元年)中道改革で新たな地平開く/西田幹事長インタビュー

本日無料公明新聞2026年1月11日付 1面

 昨年10月、自民党との連立に区切りを付け、野党として再出発した公明党。「新生・公明党」元年とも言える年が明け、年頭から勢いよく始動しました。今年の取り組みについて、西田実仁幹事長に聞きました。

■(党勢拡大へ)統一外連続勝利し上げ潮を/対話集会で理解の輪広げる

 --「新生・公明党」元年の幕が明けました。

 公明党は昨年、四半世紀に及んだ自公連立に区切りを付けました。野党として迎えた本年は、「大衆とともに」の立党精神を胸に刻み、衆望を担う新たな党の建設へ道を開く年にしたい。政治的な対立を乗り越え、国民のための改革を進める「中道改革」の旗印となる政策を練り上げ、与野党の結集軸として日本政治の新たな地平を切り開いてまいります。その決意を、元日から全国の議員と共に、街頭で力いっぱい訴えました。

 --今年の目標は。

 各地で相次ぐ統一外地方選の完全勝利です。公明党の最大の強みは国と地方の議員ネットワークであり、その力をさらに拡大・強化することが、新たな党の揺るぎない基盤づくりに直結します。

 今年は県都・山口市や松山市をはじめとする春の“ミニ統一地方選”、後半には“沖縄統一選”や茨城県議選が予定され、全ての選挙を勝ち抜き、党勢拡大の上げ潮を起こし来年の統一地方選の勝利へ弾みをつけていきます。次期衆院選は、常在戦場の構えで準備を進めていきます。

 --党勢拡大に向けた取り組みは。

 党や議員個人を恒常的・積極的に応援してくれる「アクティブサポーター(AS)」の拡大に全力を挙げます。全議員が現場に入って住民の“御用聞き”に徹し、党への理解を大きく広げていくため、各地でAS会合や地域課題について懇談するタウンミーティングを開くほか、党員会や支部会の定期開催・充実にも力を入れて取り組んでいきます。

■(重要政治課題)財政悪化、円安・インフレ加速、生活不安拭う論戦展開

 --通常国会が今月召集され、まず来年度予算案が審議されます。

 財政規律への懸念を招きかねない、危うさをはらんだ予算だと考えています。一般会計総額は約122兆円に上り、予算が実質的に膨張していると言わざるを得ません。インフレで税収が過去最高にもかかわらず、新規国債発行が増えており、市場は財政の持続可能性に対して非常に神経質になっています。円が売られれば、インフレが加速し、国民生活を圧迫します。

 円安を是正し、インフレの加速を抑えていくには、貿易収支を改善していくことが必要です。それには、鉄鋼や半導体の輸出を上回るゲーム・アニメなどのコンテンツ産業や、残念ながら政府の重点17分野投資から漏れていますが、インバウンド(訪日客)・観光への重点投資などの具体的な提案もしながら、国民の不安を払拭できるように論戦を展開していきます。

 --来年度税制改正は。

 昨年末に決まった与党大綱には、公明党が一貫して訴えてきた所得税が課され始める「年収の壁」の178万円への引き上げや、消費税のインボイス(適格請求書)制度導入に伴う特例措置の延長などが盛り込まれました。高校生年代の扶養控除も維持され、一定の成果を挙げています。

 一方、「賃上げ促進税制」については、中小企業への支援は維持されたものの、地域の中核企業である中堅企業への支援は来年度末で終わらせるなど、物価高に賃上げが追い付いていない状況の中、政府の誤ったメッセージになりかねない施策も盛り込まれています。

■国民の信頼回復へ政治改革を断行

 --政治改革は。

 国民の政治への信頼を取り戻すため、「政治とカネ」を巡る問題に決着をつける政治改革を断行する決意です。まずは公明、国民民主両党が昨年の臨時国会に提出した企業・団体献金の規制強化法案について与野党の合意形成を進めていきたい。また、政治資金をチェックする第三者機関「政治資金監視委員会」を設置する法案作成を急ぎ、成立を期します。

ジャパン・ファンド基本法制定も

 --中道改革を掲げる党の今後の政策は。

 長く与党の一翼として政権を担ってきた反省も踏まえ、若い人や現役世代が努力は報われると実感できるような社会に改革することが必要だと考えています。特に、格差の是正に焦点を当てた政策を提案していきたいと思います。

 例えば、正規・非正規にかかわらず同じ仕事内容であれば、同じ賃金水準にする「同一労働同一賃金」の完全実施や、学び直しができる教育支援の拡充、家賃補助制度の創設などです。介護職をはじめエッセンシャルワーカーの大胆な処遇改善も訴えていきます。

 さらに、国の資産を運用して財源を生み出す「ジャパン・ファンド(政府系ファンド)」の創設に向けた基本法の制定などを進め、実現へ力強く踏み出していきます。

■(外交・安保)非核三原則を堅持し、国際協調導く日本に

 --米国がベネズエラの首都を攻撃し、大統領を拘束しました。

 戦後培われてきた国際秩序が壊れてしまいかねないと懸念します。今回の米国によるベネズエラ攻撃は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際法違反の疑いが濃厚です。日本政府は同盟国として米国に対し、「法の支配」の重要性を伝える外交努力をすべきです。とともに、ベネズエラの民主化の動きも注視してまいりたい。

 --今年は核兵器不拡散条約(NPT)の再検討会議も開かれます。

 NPT再検討会議は、前回、前々回の会議で合意文書を取りまとめることができませんでした。今回こそ取りまとめられるよう、核保有国と非保有国の橋渡し役を担う日本政府が議論をしっかりと主導してもらいたい。

 日本は、戦後の平和国家としての歩みが評価され、これまで核軍縮に関する国連の会議や国際賢人会議での議論をリードしてきました。今後もその役割を果たすためにも、また何より国民が安心できる安全保障環境へと改善するために、非核三原則を堅持していくべきです。

 防衛装備品の移転(輸出)が認められる「5類型」や、国家安全保障戦略など安保関連3文書の見直しにも、国民の理解が得られる丁寧な議論が求められます。日本が自ら対立や緊張を助長することのないよう、国際社会の平和と安定に向けた取り組みを政府・与党に強く訴えていきます。