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(公明が参院選総括、党改革へ)共感生む開かれた党に/福祉、平和、ニーズに応える政策実現/記者会見で西田幹事長、三浦選対委員長が発表

公明新聞2025年9月12日付 1面

 公明党の西田実仁幹事長は11日、国会内で記者会見し、先の参院選の結果を受けた総括を発表した。総括は、党幹部が全国各地に赴き「方面別懇談会」を開催するなど、地方議員らから意見を聴いて取りまとめた。これに先立ち、党本部で開かれた中央幹事会で斉藤鉄夫代表は、2027年に予定されている統一地方選などの大型選挙に向け「この総括を踏まえ、一致団結して進んでいこう」と訴えた。=参院選総括の詳報は後日掲載

■(現状認識と敗因)

●自民支持層・無党派層からの信任不足 ●40~50代現役世代、10~30代若年層で支持伸び悩み ●与党への逆風と世界的な多党化が日本でも本格化 ●既存政党・政治手法への国民の拒否感(自民党の不記載議員への推薦など) ●軽減税率は適切な結論を得るも、政策調整の遅延による影響否めず →「党存亡の危機」と位置付け

■(今後の党改革の方向性)

①ブランディング・広報宣伝体制の抜本的再編 ②「サポーター制度(仮称)」「党学生部」の創設 ③「責任ある中道改革勢力」の軸として役割果たす

 総括は、①選挙結果の概要②方面別懇談会で得られた主な現場の声③現状認識と敗因の分析④今後の党改革の方向性⑤大型選挙に向けたアクションプラン--の5項目。

 現状認識と敗因の分析では、特に40~50代の現役世代や10~30代の若年層での支持が伸び悩んだと指摘。「世界的な多党化が日本でも本格化」したことに加え、自民党のいわゆる「不記載議員」への推薦を挙げ、既存政党に対する国民の拒否感があったと記した。その上で、こうした現状を「党存亡の危機」と位置付け、「従来の延長線上の改革では不十分」であるとの認識を示した。

 今後の党改革の方向性では、方面別懇談会で「共感広げる『公明党らしさ』の訴求強化」や「多様な層が参加しやすい開かれた党組織づくり」を求める声が出たことを踏まえ、「ブランディング・広報宣伝体制の抜本的再編」を打ち出した。政策立案への地方議員の参画や、意思決定機関への女性枠確保なども進めるとした。

 党員制度や後援会のあり方を再検討し、「サポーター制度(仮称)」や「党学生部」を創設すると明記した。

 また、社会保障を中心に日本がめざすべき将来像を示した「2040ビジョン」の最終化や、参院選で掲げた新たな財源を生み出す「政府系ファンド」の具体化、平和創出ビジョンの推進など国民のニーズに応える政策実現を通して、公明党が「責任ある中道改革勢力」の軸として役割を果たすとした。

 一方、次期衆院選と27年の統一地方選を見据えた取り組みとして、議員の総合的拡大力の強化に向け①「チーム3000」のネットワーク強化②AS(アクティブサポーター)の拡大③演説やSNS発信の質向上に向けた強化プログラム検討④若年層・現役世代・女性層との懇談会・対面強化--の四つのアクションを示した。

 記者会見で西田幹事長は、「大衆とともに」の立党精神に触れ「この不滅の立党精神の普遍的価値は、これからも決して色褪せることはない。その普遍的価値を国民の皆さまに実感していただけるよう、行動と結果を出していく」と強調。日本社会が対立と分断か、共生と協調かという岐路にあるとして「公明党は『責任ある中道改革勢力』の軸として、国民の皆さまに安心と希望を示し続けていく」と力説した。

 また、既存政党に対する国民の拒否感の要因について「物価高が生活を直撃し、苦しい生活を余儀なくされている国民の不安や不満に十分に応えられていない」との見解を示し、党として改革を進め、国民の不安に応えていくと訴えた。