双子や三つ子など多胎児を育てる家庭の負担軽減へ、大阪府枚方市は今年度から、家事や育児の手助けをするヘルパー派遣事業の利用対象時期を「産後」から「妊娠期」に拡充した。多胎児家庭は、経済的にも身体的にも負担が大きく、単胎児とは異なる不安や孤立感を抱えやすい。妊娠期から子育て期まで多胎児家庭を切れ目なく支える体制づくりを着実に広げる枚方市。その推進役は、当事者の声に耳を傾けてきた公明市議だ。 ■保健・助産師ペア訪問、相談充実 「病院で双子を授かったと知った時は、驚きの気持ちが強かった」。2016年2月、初めての出産で双子を授かった枚方市在住の前川理世さんは、こう振り返った。 多胎児の出産は、単胎児の出産に比べ、体調面などで注意が必要な期間が長い上に、早産のリスクが高い。前川さんは早産を防ぐため、子宮の入り口(子宮頸管)を糸で縛る手術を受けた。 家族が増えて家探しをした際も、「双子用ベビーカーがエレベーターに入るか、歩道は十分な幅があるかなど、考えることが多かった」と多胎児家庭ならではの苦労を述懐する。 出産後、前川さんは同じ悩みを抱える家庭を支えたいと思うように。18年12月、同じ境遇の親同士が情報交換したり、育児グッズの「おゆずり会」などのイベントを開催したりする多胎児サークル「ばなな」を設立した。その輪の中へたびたび飛び込んで、当事者の声に耳を傾けてきたのが公明党の一原明美市議だった。 ■公明市議、当事者の声から推進 一原市議の兄は双子の父親で、義姉の苦労を間近で見てきた。また、近隣の多胎児家庭からも「支援をもっと充実してほしい」と切実な声が寄せられていた。 一原市議が初めて多胎児支援を市議会で取り上げたのは19年6月定例会。ヘルパー派遣事業やファミリーサポートセンター事業を利用しやすい制度に見直すよう提案した。その後も、保健師・助産師による訪問支援や相談体制の充実、SOSを出しやすい環境づくりなどを繰り返し訴えてきた。 その結果、今年度からヘルパー派遣事業が妊娠期から利用できるようになったほか、保健師・助産師によるペア訪問、ヘルパー派遣の利用登録申請の電子化、相談機関の拡充など、妊娠期から子育て期まで、切れ目のない支援体制が整ってきた。 一原市議に対し「普段、議員とつながる機会がないため『困り事はないですか?』と訪ねてきてくれるだけでも本当にありがたい」と前川さん。「これからも気にかけてくれたら」と信頼を寄せる。