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備蓄米の価格安定へ流通円滑化/公明の提案を反映、農水省が対策パッケージ/買い戻し期限、5年に延長
政府備蓄米の放出後も高止まりしているコメの価格を抑えるため、江藤拓農林水産相は16日、備蓄米の入札方法を見直すなどの対策パッケージを発表した。放出した備蓄米と同量の買い戻しについては、原則1年以内としていた期限を5年以内に延長。2025年産米は対象から外し、需給環境の改善を優先する。コメの価格安定化に向け、公明党が農水部会などで政府に求めてきた内容が盛り込まれた。
江藤農水相は会見で「大手のスーパーだけでなく、町の小さな個人経営のスーパーやお米屋さんまで備蓄米がある状況をつくるにはどうしたらいいか検討した」と述べた。4回目の備蓄米入札を5月28~30日に実施することも発表した。
■7月まで毎月10万トン放出
政府は4月までに、備蓄米計約31万トン分の入札を実施。5~7月にも毎月10万トン分ずつ入札し、計約61万トンを大規模放出する計画だ。7月の入札数量は、需給に応じて変更も可能とする。
■入札優先枠で早期販売を後押し
また、スーパーや小規模米穀店など小売業者と協議し、備蓄米を1カ月以内に売り渡す計画を立てた集荷業者に対し、6万トン分の入札優先枠を新設。備蓄米の多くは集荷業者などの流通段階で滞留しており、早期に消費者へ届ける狙いがある。備蓄米の在庫確保のための買い入れについては、25年産米を当面中止し、需給安定をめざす。
■現地調査踏まえ党部会などで主張
公明党は、コメ価格の高騰に対応するため、価格安定化に向けた対応に総力を挙げてきた。
備蓄米放出後も価格が下がらない実態を探るため、小売店や農家の現場を調査。自民、公明の両党幹事長会談では、入札条件の緩和策などを対策パッケージとして取りまとめるべきだとの意見で一致していた。
また党農水部会の会合で政府に対し、流通の円滑化のほか、原則1年の買い戻し条件の撤廃、消費者目線での丁寧な情報発信などを強く求めてきた。
党農林水産業活性化調査会の谷合正明会長は、今回のパッケージについて「公明党が要望した内容が踏まえられたもの」と評価。「いち早く消費者の手元に届けることが重要だ。価格の安定化へ実行性ある対策になるようにしたい」と強調した。