気候変動に伴う風水害の激甚化や大規模地震へ備えるため、政府が2021~25年度にかけて進めてきた「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」。公明党の強いリードで策定された事業規模約15.6兆円の同対策は、各地で着実に実を結び、地域住民の命と暮らしを守る防壁となっています。主な成果を紹介します。 ■(流域治水)岩手・小本川など浸水被害が大幅減 岩手県岩泉町を流れる小本川では、16年の台風10号の影響で大規模な氾濫が発生し、川沿いにあった高齢者グループホームの入所者9人が犠牲に。隣接する介護老人施設「ふれんどりー岩泉」も1階の天井まで浸水しました。同施設で事務局長を務める佐藤弘明さんは「一瞬で水位が上がり、流木が流れ込むなど大惨事だった」と当時を振り返ります。 その後、小本川では加速化対策の予算も活用しながら、川底を削り水が流れる面積を広くする河道掘削や、護岸整備などが行われ、25年度に事業が完了。川幅は最大で約2倍に広がり、水位は約25センチ低減しました。 甚大な被害をもたらした16年の台風10号では浸水戸数は844戸でしたが、同程度であった24年の台風5号では浸水戸数はゼロに。「毎年発生していた氾濫危険水位までの増水が、去年はなかった」と佐藤さんは、その効果を語ります。 全国でも加速化対策を追い風に、一級河川における大規模洪水などに対応した整備率は67%(21年度)から73%(25年度)まで上昇しました。今年度以降も、後継となる「中期計画」の予算を活用した流域治水対策が各地で進んでいきます。 ■(老朽インフラ)神戸市など団地再生、高齢化も対応 神戸市北区では、市内最大の市営住宅「桜の宮住宅」の建て替え事業が先月完了し、住民の生活環境改善につながっています。 建て替えは、築40年以上がたち、老朽化が進んでいた同住宅の再整備を目的に15年から開始。加速化対策の予算76億円が活用され、現行の耐震・耐火基準を満たすように建て替えられました。 住民の高齢化にも配慮したデザインが行き届いています。敷地内は起伏が大きく、階段も多くありましたが、改築に伴いバリアフリーの歩行者用通路を整備。さらに60棟を11棟へと集約し、全棟にエレベーターを完備したことで移動の負担が軽減されました。各棟の屋上には、災害などの停電時にも活用できる太陽光発電システムが設置されています。 自治会長を務める松本孝男さんは「高齢の入居者が多いので、段差のない通路やエレベーターが整備されて、本当に助かる」と喜んでいました。 加速化対策では、私たちの生活の土台となる水道施設や道路、鉄道、空港などの幅広い公共インフラについても、事前に対策を行う「予防保全」の考え方に基づき、改修が大きく進みました。 ■(線状降水帯)新スパコンで予測精度向上 最新のスーパーコンピューター導入などにより、線状降水帯の予測精度が向上しています。 今年5月からは発生の2~3時間前に危険を知らせる「直前予測」の運用がスタートしています。 「半日前予測」については、24年5月から危険を知らせる対象地域を、全国11ブロックの地方単位から都道府県単位に細分化。広い北海道や、島しょが点在する東京都、鹿児島県、沖縄県は、さらに地域を分けて情報提供しています。 29年度には大雨の可能性が高い市区町村を把握できる半日前予測が始まる予定です。 ■(避難所環境)学校体育館の空調4倍に 災害時に避難所となる公立小中学校などの施設でも、防災機能の強化やバリアフリー化が進んでいます。これにより、災害発生時における避難者の安全性と、良好な避難生活環境の確保が期待されます。 加速化対策の予算が活用され、公立小中学校の体育館などへの空調設備設置は7236棟(25年5月1日現在)と、この5年間で約4倍に増加しました。その中でも東京都では、都議会公明党の強力な推進によって都独自の設置助成制度が創設されたこともあり、設置率は92・5%(同)に達しています。 このほか、学校施設では老朽化した和式トイレの洋式化や、エレベーター、スロープの設置などが実施され、私立学校や専門学校などの施設整備も前進しています。