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公明党は中小企業の味方

公明新聞2024年10月23日付 4面

 国内企業数の9割超を占め、雇用の7割を担っている中小企業は、日本経済の土台を支えています。公明党は予算・税制などを通じて、中小企業の賃上げや生産性向上、資金繰り支援などを推進してきました。主な施策を紹介します。

■(賃上げを後押し)給与アップで法人税を減税

 従業員の賃上げを後押しするため、給与増額が一定の基準を超えた場合、その一部を法人税から控除する「所得拡大促進税制」が2013年度に創設されました。

 22年度には「賃上げ促進税制」に引き継がれ、控除率が15%から40%に。さらに24年度には控除率が最大45%にアップしました。

 一方、地方でも公明党の提案により、自治体や労働者、経営者らによる「地方版政労使会議」が全都道府県で開催され、賃上げの機運醸成につながっています。

 このほか、発注側の価格転嫁の状況を公表することや新規設備投資の固定資産税軽減なども実現しました。

■(下請け取引の改善)適正な価格転嫁へ監視強化

 中小企業は、発注者である大企業の下請けとして、理不尽な取引を強いられるケースが少なくありません。

 公明党は大企業との取引で弱い立場の中小企業の窮状を受け止め、価格転嫁が適正に行われているかを監視する「下請Gメン(取引調査員)」の拡充を推進。2017年度に80人体制でスタートした「Gメン」の増員を訴え続け、24年度には330人へ監視体制が強化されました。

 また、公明党の提案を受けて政府は昨年11月に、労務費の適正な転嫁に向けた価格交渉の指針を策定。指針には、受注側の求めがなくても発注側が定期的に協議の場を設けることや、受注側が交渉に使用する、コスト上昇分を示す根拠資料の例などが明記されています。

 今後は、コストが上昇しているにもかかわらず発注側が交渉に応じず一方的に価格を据え置く行為の禁止などを盛り込んだ下請法の改正に取り組みます。

■(後継者の確保)贈与・相続税を全額猶予に

 中小企業経営者の高齢化と後継者不足が深刻化しています。廃業が増加すれば、雇用の受け皿や貴重な技術の喪失にもつながります。

 このため公明党は、中小企業が事業承継しやすい環境の整備を粘り強く推進。2018年度税制改正では、事業承継税制の抜本的な拡充を実現し、承継時の贈与税相続税の負担をなくす、10年間の「特例措置」が始まりました。24年度の税制改正では23年度末までだった特例措置の申請期限が2年延長されました。

 また、22年度第2次補正予算では、事業の引き継ぎにかかる設備投資などを支える「事業承継・引継ぎ補助金」を拡充。一定の賃上げに取り組んだ場合に補助上限額が600万円から800万円に引き上げられました。

 さらに、第三者も含めた事業引き継ぎの相談窓口として「事業承継・引継ぎ支援センター」を全国に展開。事業承継計画の策定やマッチング支援をワンストップで行っています。

■(仕事と育児の両立へ)柔軟な働き方導入に助成金

 子育てしやすい職場環境は人材確保に重要です。育休の取得促進などに取り組む中小企業を支援する「両立支援等助成金」が、公明党の推進で今年から拡充されました。

 1月からは、育休取得者(7日以上)の業務を代替する従業員に手当を支給した場合、1人当たり月10万円を上限に支給額の4分の3が補助され、最大125万円が中小企業に支給されます。

 また代替従業員のうち、時短勤務者(1カ月以上)の場合は1人当たり月3万円を上限に、最大110万円が補助されます。

 さらに4月からは、柔軟な働き方への後押しも実施。具体的には①始業・終業時刻の変更(フレックスタイム制・時差出勤制)②育児のためのテレワーク等③時短勤務④保育サービスの手配・費用補助⑤子の養育のための有給休暇--の五つから制度を選び、二つ導入すれば利用者1人当たり20万円、三つ以上で同25万円が中小企業に支給されます。

■(ワンストップ相談窓口)経営改善へ専門的な提案

 資金繰りや人材確保、生産性向上など中小企業が直面する課題は多岐にわたります。こうした経営課題をワンストップで相談できる「よろず支援拠点」が好評です。

 よろず支援拠点では、専門家が課題解決策を提案し、成果が出るまでフォローアップ(継続支援)。無料で何度でも相談でき、各地の支援機関と連携する仕組みも整っています。公明党の推進で全国に設置されています。

 よろず支援拠点全国本部(中小企業基盤整備機構)によると、相談対応件数は事業開始(2014年度)の6万5737件から、43万1043件(23年度)に増加。利用者の満足度は9割を超えています。

■(被災企業の再建)なりわい補助金で後押し

 能登半島地震からの復興には、甚大な被害を受けた中小企業の再建が不可欠です。

 国は、被災した事業者に対して、施設・設備の復旧を後押しする「なりわい再建支援補助金」(なりわい補助金)で復旧経費を支援しています。

 具体的には、新潟、富山、石川、福井の4県にある被災事業者を対象に、工場や店舗などの施設、生産機械などの設備の復旧費用を国や県が支援。石川県の場合、15億円を上限に4分の3を補助しており、同県では累計で138件が採択されています。同補助金は9月に能登半島北部を襲った記録的大雨で被害を受けた事業者も対象となります。

 また、なりわい補助金とともに、自己負担分の資金調達に活用できる特別融資制度も設けています。公明党は同補助金をはじめ、事業者支援策の円滑な実施を政府に訴え、制度手続きで困っている被災者に寄り添ってきました。

■(人手不足に対応)省力化製品の導入に補助金

 深刻な人手不足に対応するためには業務の省力化も必要です。

 このため中小企業庁は、人手不足に悩む中小企業などに対し、IoT(モノのインターネット)やロボットなど省力化に効果がある汎用製品を導入する経費を補助する「中小企業省力化投資補助事業」(省力化補助金)を今年6月から開始。随時申請を受け付けています。補助率は2分の1で、補助上限額は従業員数によって異なります。一定以上の賃上げを達成した場合、補助上限額が引き上げられます。

 同補助金に関しては公明党の主張を受け、中小企業が製品の選択・導入をしやすいよう、対象製品を業種ごとにカタログにして中小企業省力化投資補助金の公式サイトに掲載しています。

 カタログにして登録されている製品は、清掃や配膳ロボット、自動精算機など合計29カテゴリー、168製品です。

 今後も、現場のニーズを踏まえ、順次拡大される予定です。

■(設備投資を促進)新商品の開発などで成果

 物価高を上回る構造的・持続的な賃上げの動きを加速させるためにも、中小企業の成長を促す施策が欠かせません。公明党は生産性向上につながる支援策を強力に推進してきました。

 例えば、中小企業の設備投資などを幅広く支援する国の「ものづくり補助金」です。

 民主党政権時代の事業仕分けで2010年度に一度は廃止されましたが、公明党の強い主張によって12年度から復活しました。利用者からのニーズが高く、新商品の開発などにつながっています。

 17年にはIT機器の導入に使える「IT導入補助金」がスタート。インボイス(適格請求書)制度の導入に備えた会計ソフトの購入などに役立っています。

 コロナ禍からの克服に向けては、新分野の開拓や業態転換を支援する「事業再構築補助金」を創設。思い切った事業再構築に取り組む中小企業の挑戦を支援しています。

■(資金繰り支援)約束手形の決済期限を短縮

 資金繰りが圧迫されやすい中小企業を制度面から支えます。

 公明党の強力な推進により、公正取引委員会と中小企業庁は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の指導基準を変更し、下請け企業への支払いで用いる約束手形などの決済期限を、今年11月より原則120日から60日に大幅に短縮します。長年の商慣行を見直し、人手不足や物価高で苦境が続く中小企業の設備投資や賃上げを後押しします。

 このほか、中小企業が金融機関から融資を受ける際、経営者個人が会社の連帯保証人になる「経営者保証」なしでも融資を受けられる、新たな信用保証制度を創設し、取り扱いを始めています。