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(公明ブランド 中道改革断行の力)平和の党/生命・生活を脅かす核兵器の廃絶進める/「非核三原則」政府の見解ただす

本日無料公明新聞2025年11月24日付 1面

 庶民の幸福も豊かな社会も、その前提にあるのは平和にほかならない。結党以来、生命・生活・生存を最大に尊重する「人間主義」を掲げる公明党にとって、平和は絶えず希求すべきテーマだ。公明党が「平和の党」と評されるのは、その強い思いから数々の実績を積み上げてきた証左といえる。

 今年は戦後80年の節目の年。唯一の戦争被爆国として、日本は核廃絶への決意を新たにしなくてはならない。だが、発足から1カ月が経過した高市政権には早くも“不穏な空気”が漂う。今国会の質疑で非核三原則の堅持を明言しない首相。「被爆者は日本に核が持ち込まれ、核戦争の基地になることも核攻撃の標的になることも許すことができない」(日本原水爆被害者団体協議会=日本被団協)などと、政府の姿勢に不安と怒りが渦巻く。

 核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず。この非核三原則は、戦後、日本が平和国家として国際社会から信頼を得てきた上で大きな役割を果たしてきた。非核三原則という言葉が国会の議事録に初めて掲載されたのは1967年12月の公明党議員の衆院代表質問。当時の佐藤栄作首相が「これを厳粛に順守する」と言明して以降、歴代政権はこれを踏襲し、非核三原則は日本の国是となった。

 「安全保障に関わる政府の見解や基本姿勢が堅持されているのか、大変疑問に感じる。国の基本方針と首相の国会答弁に揺らぎがあってはならない」。公明党代表の斉藤鉄夫は今月13日の党中央幹事会で懸念を示した。加えて、同日には政府に対し非核三原則への見解を問う質問主意書を送った。党代表が同主意書を送るのは極めて異例。26日の党首討論でも、斉藤は首相、政府の姿勢を確認する考えだ。

■行き過ぎた安保政策にブレーキ

 四半世紀に及んだ自民党との連立政権にあって公明党は、安全保障政策で行き過ぎを是正する「ブレーキ役」を担った。2015年に成立した平和安全法制で、現憲法の下で許される「自衛の措置」の限界を明確化し、自衛隊の武力行使が「自国防衛」の範囲内になるよう厳格な歯止めをかけたのは、その一例だ。

■「北東アジア対話機構」創設など党ビジョン具体化に尽力

 一方で、公明党は平和創出への「アクセル役」としても果敢に動く。その旗頭となるのが今年5月に発表した「平和創出ビジョン」だ。この中で特に強く訴えているのが、対立する当事国も入った形で各国が集う常設の対話枠組み「北東アジア安全保障対話・協力機構」の創設。同機構については、すでに米国や中国にも提案し、「生産的な提案」との評価も聞かれた。

 「核なき世界」の実現も同ビジョンの大きな柱だ。公明党は核廃絶をめざすNGO(非政府組織)など市民社会との対話を継続しているほか、21年に発効した核兵器禁止条約について「非核三原則を国際規範に高めた意義を持つ条約」と評価し、折に触れて政府に同条約締約国会議へのオブザーバー参加を要請した。また、過去3回全ての会議に公明党議員を派遣し、条約の署名・批准に向けた環境整備に力を注ぐ。

■ウクライナの地雷除去も強く後押し

 安全保障環境が激変し、分断が進む国際社会にあって、平和創出に欠かせないのが国際貢献だ。公明党はロシアから侵略を受けるウクライナの地雷除去について、22年9月の東欧調査団派遣などを通じて後押し。今も日本の優れた技術を活用した支援に取り組む。

 依然、各地で紛争が絶えず、混迷が深まる国際社会。こうした時だからこそ、日本は平和の旗を一層高く掲げ、動かなければならない。公明党はその先頭に立つ決意だ。

■2025年の主な取り組み

1月 中満泉・国連事務次長(軍縮担当上級代表)と斉藤代表が懇談

3月 核兵器禁止条約第3回締約国会議に平木大作参院議員が参加

5月 「平和創出ビジョン」を発表。石破茂首相(当時)らに提言

6月 駐日米国大使に平和創出ビジョンを手交

8月 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長と斉藤代表が会談

10月 同ビジョンの具体化へ推進委員会が初会合

   日本被団協と斉藤代表が懇談

   「ウクライナ地雷対策会議」に斉藤代表

   党委員会でICAN初代代表が講演

11月 「パグウォッシュ会議」広島で開催