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(支部会のために)与野党協議、公明の政策大きく反映

公明新聞2025年3月9日付 3面

 4日に衆院を通過した来年度予算案と税制関連法案の修正案を巡り、公明党は少数与党である現状を踏まえ、与野党協議に誠実に対応してきました。その結果、来年度予算案や税制関連法案の修正案には、公明党が掲げてきた政策を数多く盛り込むことができました。与野党協議の成果のうち、年収「103万円の壁」の引き上げ、高校無償化の拡充について紹介します。

■(年収「103万円の壁」)独自案基に税法修正/課税最低限160万円に引き上げ。納税者1人2万~4万円の減税

 税制改正を巡る自民、公明の与党両党と国民民主党との協議では年収「103万円の壁」の見直しが焦点に。昨年末に取りまとめた与党税制改正大綱では、▽食料などの物価上昇率を踏まえ、ほぼ全ての納税者を対象に課税最低限を123万円に引き上げ▽大学生らを扶養する親の税負担を軽くする特定扶養控除について、子の年収要件を150万円以下に緩和--の2点を決めました。

 このうち、課税最低限については、今年に入ってから、さらなる引き上げへ協議を進めることに。公明党は物価高で国民の生活環境が厳しさを増す中、現行の課税最低限が生活最低費の水準を下回っている実態を改善すべきだと主張。東京23区の単身者の生活保護基準である160万円程度まで課税を行わないことを提案しました。

 具体的には、最低賃金程度の給与収入200万円以下の人を対象に、基礎控除37万円を恒久的に上乗せします。

 中間層支援としては、高所得者優遇とならないよう、納税者の8割強を占める850万円以下の人の非課税枠を2年間上乗せ。これにより、ほぼ全ての納税者が年間2万~4万円程度の減税を受けられます。

 限りある財源の中、いたずらに赤字国債を発行し、返済を次の世代に押し付けることなく、現段階で示すことができるギリギリの案でした。

 このほか今回、物価上昇に応じて基礎控除を引き上げることを法定化します。

ガソリン暫定税率廃止へ誠実に対応

 自公国3党間の約束であるガソリン税の暫定税率廃止は必ず実現します。ただ、1兆5000億円という多額の安定財源が必要な上に、混乱を招かない丁寧な制度設計が求められます。

 こうした課題を踏まえ公明党は廃止までの間、国のガソリンの価格抑制策拡充などの対応を求めています。今後も3党で誠実な協議を進めます。

■(教育費の負担軽減)党子育てプラン前進/公・私立問わず高校無償化。教材費など中間層も支援

 教育無償化に関する自民、公明の与党両党と日本維新の会の3党合意(2月25日)には、公明党の「子育て応援トータルプラン」の施策が大きく反映されました。

 3党合意には、高校授業料への就学支援金について、2026年度から所得制限を撤廃し、私立加算上限額を現行の年39万6000円から全国の私立授業料平均額に相当する年45万7000円に引き上げることを盛り込みました。25年度分に関しては、先行措置として、公立・私立を問わず全世帯を対象に、公立高校授業料に相当する年11万8800円を支給し、所得制限を事実上撤廃します。

 その上で公明党は、保護者から授業料以外の教育費負担も大きいとの声が上がっていることも踏まえ、教育の質と多様性を担保する観点から「授業料無償化と低中所得層への支援は両輪で行うべきだ」と主張。教材費などに充てられる低所得世帯向けの「高校生等奨学給付金」を中所得層まで拡充することが盛り込まれました。

 また、私立の実質無償化に伴い“公立離れ”が進むのではないかとの懸念があることから、公明党の訴えで、公立専門高校などの施設整備に対する支援拡充が明記されました。今後も公立と私立の関係や負担のあり方など十分な検討を進めます。

■26年度から小学校給食費を無償化に

 公明党が取り組んできた学校給食費の無償化も前進します。3党合意では、まずは小学校を念頭に26年度から実施し、中学校もできる限り速やかに実現することが確認されました。

 これら高校授業料と学校給食費の無償化に関する制度設計については、6月に策定する政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に反映させるため、5月中旬をめどに3党でまとめる方針です。