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車いすでも利用できるバリアフリービーチ/砂浜に通行用マット、ボランティアが設置・管理/神奈川・葉山町

公明新聞2025年8月4日付 7面

 神奈川県葉山町にある一色海水浴場と森戸海水浴場は現在、足が不自由な人でも砂浜を通りやすいように特殊な通行用のマットを設置する「バリアフリービーチ」を開設している(8月31日まで)。これまでボランティアが自費でマットを設置してきたが、今年度から購入費の一部が町の補助対象となった。このほど、同活動を後押ししてきた公明党の星加代子町議と共に沼崎満子衆院議員、織田幸子県議が現地を視察した。

■沼崎氏ら視察

 真夏の日差しが照りつける小麦色の砂浜に“青いマット”が敷かれている。その上を義足を装着した人や、車いす利用者、ベビーカーを押す子ども連れの家族らが楽しそうに通行する。丈夫な素材で作られたマットは砂浜に比べて歩行が安定するため、観光客たちもはだしで歩いていた。

 7月21日の「海の日」、一色海水浴場で開かれた「パラサーフィン」の体験イベントで、マットは大活躍した。参加する車いす利用者は、マットを使い、波打ち際まで移動。スタッフのサポートを受けながらサーフィンを楽しんだ。

 同イベントには、星町議と30年来の面識がある神足裕司さん(67)も車いすで訪れ、マットの上を往復。「要介護5」の判定を受け、日々の生活をブログで発信する神足さんは、後日、「このマットがあるだけで、砂浜がぐんと近くなる」「スルスルと浜へ降りられる」と感動を綴った。

 一色海水浴場で開かれる「バリアフリービーチ」は今年で4年目。多くの人が海に来て楽しめるような活動に励む有志団体の「とってもビーチプロジェクト」が、足場の不安定な海岸を誰もが移動しやすいように、マットを砂浜に敷いたのが始まりだ。高額な上に維持管理費のかかるマットは、日本財団などの寄付に加え、海水浴場協同組合や海の家の協力を得ながら、費用を賄ってきた。同団体で共同代表を務める5人は、「たくさんの人からの協力と支援で、活動を継続できた」と振り返る。

■町の購入補助へ、公明町議が後押し

 公明党支持者のつながりで、一昨年から同団体の活動に参加した星町議は、メンバーがマットの設置や来場者のサポートを担ってきた姿に賛同。これまで、町に対する要望書の提出や町議会での一般質問を通して、マットの設置を支援するよう訴え、活動を後押ししてきた。今年度から「バリアフリービーチ推進事業補助金」の創設が実現。森戸海水浴場に新たなバリアフリービーチを開設するため、同補助金がマット購入費などに充てられた。

 一色海水浴場のバリアフリービーチを視察した沼崎氏は「誰も置き去りにしない活動を、全国に広げていく」と主張。星町議は「皆が利用しやすい葉山の海岸をめざし、町やメンバーと協力しながら、さらに推進したい」と決意を語った。