公明党の推進で年々死亡者が減っている胃がんの一層の早期発見・早期治療に向け、対策がさらに進むことになった。厚生労働省は2028年から胃がんの分類を細分化し、早期がんに対応しやすくする。3月の参院厚労委員会で公明党の秋野公造政務調査会長の質問を受け、分類を新しくする方針を示した。
胃がんは、早期がんであれば内視鏡手術で助かる確率が高いが、進行がんだと外科手術か腹腔鏡手術が必要になる。新たな分類では、がんが胃の粘膜層にとどまる「T1a」と粘膜下層まで進行している「T1b」に分ける。T1aは内視鏡手術で切除できるため、入院の必要もほぼなくなる。これまで両者は分類が同じだった。
さらに、早期のがんとして「Tis」(上皮内がん)も区別する方針も示された。分類が細かくなることで、今後、臨床で応用しやすくなることが期待される。
■100%生存の可能性も/カレス記念病院・浅香正博院長
胃がんの分類細分化の意義などについて、カレス記念病院の浅香正博院長の見解を聞いた。
■内視鏡技術が向上
--新たな分類をどう見るか。
日本ではT1aとT1bを区別できる医者が大半だ。世界的には、できない医師も多い。そういう点では、日本の内視鏡技術は世界のトップを走っていくのではないか。
秋野氏の尽力で、胃がんの原因となるピロリ菌の胃炎段階での除菌が13年から保険適用となり、これまでに1000万人以上が除菌治療を受けた。胃がんの死亡者は14年から減っている。保険適用の要件とした内視鏡検査によって、自覚症状のない早期がんが見つかるようにもなった。
Tisまで細かく分類し、その段階で内視鏡手術を行えば、100%近く生存可能だというデータが出てくるのではないか。保険適用での内視鏡検査の義務付けは、日本の医師の内視鏡技術向上にもつながっていると考えている。
■公明推進のピロリ除菌、登録法制定で対策前進
--これまでの取り組みの効果は。
胃がんによる死亡者数は長らく年間5万人程度だったが、24年には4万人を切って3万7000人台になった。がん対策基本法に基づく計画では胃がんで亡くなる人を20%減らすのが目標だったが、25%まで減らしており、画期的といえる。
がん登録も、秋野氏が中心となって16年に法律が施行された。全ての病院に届け出義務が生じ、日本のがんの統計は著しく進歩した。以前は罹患者数や発生者数の統計がなく、正確な数が分からなかった。日本のがんの疫学は16年以降に本当の意味で始まったことになる。
■撲滅へ普及啓発や検査無料化に期待
--公明党に対する評価と今後の期待は。
ピロリ菌除菌の保険適用は胃潰瘍、十二指腸潰瘍から始まって、胃炎まで厚労省と折衝してきたが、秋野氏を中心に後押しをしてくれて非常に助かっている。
胃がん対策の計画でも、政府の当初案にピロリ菌の除菌は入っていなかったが、秋野氏を中心とした公明党の推進で入れることができた。公明党がいなければ対策が遅れていたのではないか。今や胃がんは最も対策が進むがんの一つだ。
胃がんで亡くなるのは“もったいない”時代に入っている。ピロリ菌を早く検査で見つければ胃がんで亡くなる可能性は大幅に下がる。胃がん撲滅に向けて国民への普及啓発や検査の無料化などの後押しを期待したい。





