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Q&A 備蓄米と公明党

公明新聞2025年6月27日付 3面

 コメの店頭販売価格が4週連続で下がり、全国平均で5キロ3920円になりました【グラフ参照】。3000円台になったのは約3カ月半ぶりです。政府のコメ高騰対策の陰には、公明党の粘り強い取り組みがありました。対話のポイントをQ&A形式で紹介します。

■Q 5キロ3千円台に下がった理由は?

■A 公明の提案で随意契約の備蓄米が流通し始めたから

 コメの平均価格が5キロ3000円台に下がったのは、政府が5月末から放出を開始した5キロ2000円台の随意契約による備蓄米が流通し始めたからです。

 政府は3月から計31万トンの競争入札による備蓄米放出を開始しましたが、“価格が下がらない”“店頭に並ばない”状況が続きました。事態を劇的に改善したのは、小泉進次郎・農林水産相ら政府が決断した随意契約による放出でした。その陰には現場の声を踏まえ、競争入札以外の方法を強く求めていた公明党の存在がありました。小泉農水相は「随意契約という手法を提案した公明党の新しい発想のもとで、さまざまな議論が生まれ、活用につながった」(5月28日の衆院農水委)と述べています。

 国有財産である備蓄米の売り渡しは、会計法で競争入札が原則と定められており、随意契約への変更は、こうした関係法令との整合性をクリアする必要がありました。公明党は関係省庁と連携を取り、実現に向けた調整も行ってきました。

■Q 随意契約の備蓄米なぜ安い?

■A 国が売値を決め、輸送費も負担。公明の提言を反映

 当初、備蓄米の売り渡しは、高値を提示した業者が落札できる「競争入札」でしたが、これが価格を押し上げる要因にもなっていました。一方、「随意契約」では、国が売値や売り渡し先を選べます。競争入札の半額程度で売り渡すことで、価格の大幅な引き下げにつながりました。

 また競争入札では店頭に並ぶまでに複数の業者を経由していましたが、今回の随意契約では国から小売業者に直接売り渡すため、価格に上乗せされる経費や利益を抑えられました。

 さらに国は倉庫から買い手が希望する場所まで備蓄米を輸送し、費用も負担しています。これは公明党が、備蓄米の競争入札で生じた約400億円の差額分を、輸送費などに活用すべきと提言したことを受けた対応です。

 中野洋昌国土交通相(公明党)は小泉農水相と連携し、業界団体に迅速な輸送への協力を要請した上で、省内に「備蓄米物流支援室」を設置し、万全のサポート体制を敷きました。小泉農水相は「本当に感謝していて、頼んだらすぐ動いてくれた」(公明党サブチャンネル動画)と語っています。

■Q 備蓄米放出の経緯は?

■A 「高橋みつお参院議員の指摘がきっかけ」(石破首相)

 コメ高騰対策として、備蓄米活用の道を開いたのは公明党です。

 昨年9月、農水大臣政務官だった公明党の高橋みつお参院議員(参院選予定候補=兵庫選挙区)が省内で備蓄米の活用を提案。その後、高橋みつお氏が同12月の参院農水委員会でも訴えた結果、農水省は凶作や災害時に限定していた運用指針を見直し、備蓄米放出に踏み切りました。

 石破茂首相は「公明党の高橋みつお参院議員から指摘をいただいた。これが備蓄米放出のきっかけになった」(5月19日の参院予算委)と明言しています。

■Q なぜコメ価格は高騰した?

■A 昨夏の「買いだめ」発端に業者の集荷競争が激化か

 コメ価格高騰について、農水省は次のように分析しています。

 昨年8月に南海トラフ地震臨時情報が発表されると、新米が出回る前の「端境期」だったことから、スーパーなどでは「買いだめ」により品薄状況が発生。これを受け、業者間で集荷競争が激化していきました。

 この年の新米収穫量は前年よりも増えましたが、大手集荷業者の扱う量は大きく減少し、卸売業者などは必要な量を確保するため、例年とは異なるルートから高値で仕入れざるを得なくなりました。肥料費の高騰など生産コスト上昇分を転嫁する動きも重なり、価格上昇につながりました。

■Q 備蓄米の在庫減が心配…

■A 東日本大震災で放出は4万トン。MA米の活用も

 今年3月末に96万トンあった備蓄米のうち、政府は計81万トンの放出を開始しています。これを全て出し切ると在庫は15万トン程度となりますが、東日本大震災の時に放出された備蓄米は4万トン、熊本地震で90トンでした。大災害が起きても十分対応できる水準です。

 それでも万が一、不足する場合には、関税ゼロで毎年77万トン輸入しているミニマム・アクセス米(MA米)などを活用するよう公明党は提言しています。

■Q 今後のコメ政策は?

■A 安定供給の確保と生産者の手取り増をめざす

 公明党は、コメ価格が消費者と生産者の双方が納得できる価格に落ち着くよう、きめ細かな流通実態調査と取引適正化に向けた監視機能の強化を進めます。

 また、安定供給の確保へコメを増産するとともに、農地の大規模化・集約化やスマート農業の推進を通じて、生産者の手取り増をめざします。

 持続可能なコメづくりに向けては、米価が下落した際に農家を守るセーフティーネットとして収入保険や条件が不利な中山間地域への直接支払制度の拡充を図り、水田政策の抜本改革に取り組みます。