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脱炭素、日本がリードを/35年までに温室効果ガス排出量66%削減必要/次期計画策定へ公明が首相に提言

公明新聞2024年12月14日付 1面

 公明党の竹谷とし子代表代行と岡本三成政務調査会長、党地球温暖化対策本部(本部長=谷合正明参院会長)は13日、首相官邸で石破茂首相に会い、政府が検討している2035年までの温室効果ガス排出削減目標(NDC)と、その裏付けとなる「地球温暖化対策計画(温対計画)」見直しに向けた提言を手渡した。石破首相は「積極的かつ示唆に富んだ提言だ。年内に案を取りまとめたい」と応じた。=関連記事2面

 NDCは、国連がパリ協定で各国に5年ごとの見直しを義務付けており、次期NDCは来年2月までの国連提出が求められている。一方、温対計画は地球温暖化対策推進法に基づく3年ごとの見直し時期に当たる。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候危機の回避へ国際社会で共有する「1・5度目標」を達成するため、35年までに世界の温室効果ガス排出量を19年比で60%削減する必要があると指摘する。日本が基準とする13年度比では、約66%削減になる。

■気温上昇「1.5度に抑制」めざせ

 席上、竹谷代表代行は、「気候変動による負担を将来世代に残さないためにも、地球環境を保全していくことが私たちの責任だ」と力説。自公の政策合意で明記した「世界全体での1・5度目標」の達成へ、「次期NDCは世界の議論をリードする目標でなければならない」と訴えた。

 その上で、IPCCが示す科学的知見などを踏まえ「1・5度目標と整合する目標設定とするため、『35年に最低でも66%以上』とし、できる限り高い目標を打ち出すことを強く要請する」と強調した。

 提言ではこのほか、脱炭素社会の実現に向け、営農型太陽光発電やバイオマス、地熱など地域の再生可能エネルギー(再エネ)資源を活用し、地域共生型の再エネ導入促進など地方創生にも貢献する地域脱炭素の取り組みを一層促進するよう要望。また、生活に身近な衣食住などを豊かにし、温室効果ガスの排出削減にもつなげる観点から、食品ロス削減やファッションロス削減などのサステナブルファッションの推進といった、国民の行動変容を促す施策の推進を要請した。

 太陽光パネルのリユースやリサイクルを促進する制度を早急に整備することなども求めた。