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読み書き困難な人(ディスレクシア)に配慮を/住民票請求に「ひらがな見本」/神奈川・藤沢市
文字の読み書きに困難を抱える人や外国人らへの配慮として、神奈川県藤沢市は、市役所・支所窓口に住民票交付請求書の「ひらがな表記見本」を設置している。「漢字だらけでよく分からない」。学習障がいの一つ、発達性ディスレクシアの当事者たちの切実な訴えを重く受け止めた公明議員が、市に働き掛け、実現した。
■市役所・支所窓口、“漢字だらけ”解消へ
ディスレクシアは国内で人口の約7%いるとされ、文字の読み書きに特化した困難を持つ。普段の会話では不自由がないため、周囲からは「努力不足」などと誤解され、理解されにくいこともある。
当事者の一人、大学3年生の伊藤蓮さん(仮名、21歳)は、中学3年時に学習障がいであることが判明。「文字を読むだけで疲れてしまい、意味を理解するにも時間が掛かる」と話し、特に市役所窓口での申請手続きには一苦労するという。書類の見本は漢字表記が中心で、スタッフに声を掛けられても「読み書きが苦手」と切り出しにくい。伊藤さんは、手続きを諦めてしまったり、書類を家に持ち帰り、家族の助けを借りて再申請したこともあったと振り返る。
■公明、当事者の声届け実現
伊藤さんの声を聴き、公明党の織田幸子県議と平川和美市議は昨年8月、実情を探るため、ディスレクシアの支援団体・NPO法人発達サポートネット「バオバブの樹」の沖村可奈子理事らと意見交換。その直後、平川市議が昨年9月定例会で「市民には申請書類の漢字を読むことが困難な方もいる。平仮名見本を作成するなど当事者らへの配慮が必要だ」と市に求め、インクルーシブ(包摂的)な窓口対応を提案していた。
これを受け市側は、今年1月までに、市役所本庁舎と全ての市民センター(支所)窓口に住民票請求書の「ひらがな表記見本」を設置した。
このほど、織田県議と平川、塚本昌紀の両市議は、伊藤さんと共に市役所を訪問。市市民窓口センターの木村徹センター長は、「平川市議の質問がなければ、申請書類の見本にまで配慮が行き届かなかった」と強調。今後、書類の改善や、窓口スタッフのサポート体制充実を検討する考えを示した。
「ひらがな見本」を確認した伊藤さんが「表記一つで助かる人は多くいる。この取り組みが全国に広がれば」と期待を込めると、織田県議らは「ディスレクシアへの理解と適切な対応につなげるため、議員ネットワークを生かして普及させていく」と語っていた。