中道改革連合、立憲民主、公明3党の幹事長は28日、衆院第2議員会館で、イラン情勢に伴う原油高などによる影響調査結果に基づく「命」と「暮らし」を守るための緊急提言を木原稔官房長官に手渡した。木原官房長官は、同調査で1万2000件を超える声を集めたことに敬意と感謝の意を表し「根本的な問題である中東情勢の解決に向けて外交努力に取り組む」と応じた。
■影響調査1.2万超の声を反映
提言では家計負担の軽減に向け、今年3月使用分で終了した電気・ガス料金引き下げの再開や、ガソリン・軽油・灯油・重油・航空機燃料の価格引き下げ、物価高騰が続く中で特に負担が重い低所得者層や子育て世帯への給付金支給を求めた。
法人向けには、原油高などの影響を受ける事業者の倒産を防ぐため、セーフティネット保証の拡充を要請した。企業が従業員に支払う休業手当などに対する雇用調整助成金の要件緩和と助成率引き上げも提案した。
また、石油製品「ナフサ」に由来する基礎化学品の安定供給をはじめ、注射器などの医療用品や透析回路を含む医療基盤物資のサプライチェーン(供給網)全体の在庫状況の可視化を主張。局面に応じた優先供給を訴えた。中小受託事業者が取引価格を不当に据え置かれないよう価格転嫁の推進に向けた監視体制強化や、農林水産事業者支援も盛り込んだ。
国民の中長期的な不安の払拭へ「中東情勢対策ロードマップ」を提示し、あらゆる事態を想定して予見性を向上させることなども要望している。
イラン情勢を巡って中道、立憲、公明3党は、生活者目線で国民の命と暮らしと仕事を守る対応を政府に求め続けてきた。今月7日に成立した2026年度予算に関しては、イラン情勢への備えが全く考慮されていないとして中道が3月13日に衆院予算委員会で約1兆6000億円規模の予算案組み替え動議を提出。立憲、公明両党も今月6日、総額3兆8800億円の修正案を参院に提出し、いずれも否決された。
一方、3党は3月27日から合同で影響調査を実施。公明党の強みである全国津々浦々の地方議員と国会議員のネットワークを生かして取り組んだ結果、物価高で個人の9割超が消費を控え、生活への圧迫が深刻な実情が鮮明に。法人でも、ほぼ全ての中小企業が原油高の影響圏内にあるか、影響を憂慮しており医療分野への波及を懸念する声が上がるなど、3党が訴えてきた対策が現場からも切実に求められていることが明確化された。
これを受け、今回の提言では、予算の組み替え動議や修正案に与党が反対したことは「遺憾である」と強調。調査結果を重く受け止め、国民生活の底支えと企業活動継続のため、要望項目を含めた緊急経済対策の取りまとめと、補正予算の早期編成を強く求めた。
提言終了後、公明党の西田実仁幹事長は記者団に対し、政府が「原油や原油由来製品の必要な総量は足りている」との認識を示していることについて「現場に行くと『足りない』『もう仕事ができない』との声であふれている」と指摘。事態の長期化を念頭に「先を見据えて政策パッケージを示すことが政府の役割であり、その一つの表れが補正予算だ」と力説した。





