自転車にも交通反則通告制度、いわゆる“青切符”が適用され、間もなく2カ月を迎えようとしています。自転車は通学や通勤、買い物などに欠かせない身近な移動手段ですが、重大事故も後を絶ちません。学校や地域、民間団体と連携し、交通ルールを楽しく、分かりやすく学べる自治体の取り組みを紹介します。
■(アプリ)
■動画やクイズを通して学ぶ/東京都
東京都では自転車安全学習アプリ「輪トレ」を公開し、学校などで活用を進めています。スマートフォンやタブレットを使って、自転車の交通ルールを身に付ける教材として注目されています。
同アプリは無料で利用でき、事故の起きやすい場面や交通ルール、危険予測、点検のポイントなどを、キャラクターの解説や動画、クイズを通して学べます。
発進、停止、障害物の回避などを疑似体験できることをはじめ、実際の走行場面を思い浮かべながら学習できる点が特徴です。
対象は、子どもから高齢者まで幅広く、学校や家庭、地域の交通安全教室での教材としても使いやすい構成になっています。合格証を表示する仕組みがあり、子どもの意欲を高める工夫も凝らされています。
■(交通教室)
■スタントマンが事故を再現/東京・東村山市
交通事故の怖さを実感してもらう手法として、スタントマンがその場面を再現するスケアード・ストレイト(恐怖を直視・行動改善を促す方式)があります。
東京都東村山市では、安全利用の意識啓発を目的に、自転車のルール違反などが原因で起きる重大なアクシデントをスタントマンが再現する安全教室を、市立中学校で開催しています。全校を3年間で巡回、生徒は在学中に1回は受講します。事態の深刻さを視覚的に理解し、命の大切さを考える内容となっています。
参加した生徒からは「ヘルメットの重要性とともに、マナー違反が自分や相手にどれだけ危ないかを知ることができた」などの声が寄せられています。
■(キックバイク)
■未就学児対象に基礎練習/堺市
未就学児への交通安全教育では、遊びの中で自然に体を動かしながら覚える工夫が進められています。
堺市では、自転車利用が生活に根付くデンマークの教育を参考にした同国式の安全教室を実施。
民間企業と協定を結び、未就学児がキックバイクを使って、ゲーム形式でバランス感覚や空間認知能力を養えるプログラムを組むなどしています。
「障害物を避ける」「止まる」「順番を守る」「周囲を見る」といった動作を繰り返すことで、自転車に乗る前の段階から安全の基礎を身に付けられます。
同市は「サイクルシティ堺」として自転車の歴史文化や利用環境の整備に力を入れています。
■(運転免許証)
■講習、筆記・実技試験を実施/北九州市
交通ルールを学んだら、自転車運転免許証を交付する取り組みが各地で実施されています。
北九州市では、その講習会を市内の交通公園で受講して、筆記試験と実技試験に合格した人に、「北九州市自転車運転免許証」を交付しています。2~6歳向けには、三輪車や補助付きの車両で参加して受け取れる「きっずじてんしゃめんきょ」も実施しています。
正しい乗り方や、ルール・マナーについて学び、証明書を渡すことで安全意識を育てています。
同市は、誰もが自転車を安心して活用できる環境づくりに取り組んでおり、自転車総合情報サイト「スマキタ」では関連イベントなどを周知しています。
■(各種補助金)
■民間イベントなどを支援
自転車の安全利用を進めるため、補助金を活用する自治体もあります。
例えば、ヘルメットの購入費の一部助成をはじめ、学校や地域団体が行う交通安全教室の支援や、啓発イベント・講習会の開催費の補助などが挙げられます。また、車体などに付ける反射材の活用や点検整備、子どもや高齢者向けの安全啓発と組み合わせる例も。
“世界水準の自転車都市”を掲げる静岡市は、「自転車のまち振興事業補助金」を設け、民間団体などが行う関連イベントや教室を支援。安全教育の内容を盛り込んだ場合に金額を加算する仕組みもあり、地域や民間の力を生かした取り組みを進めています。





