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(政府高官「日本は核保有すべき」発言)安全保障の根幹揺らぐ/国際社会への悪影響大きい/記者団に斉藤代表

本日無料公明新聞2025年12月20日付 1面

 安全保障政策を担当する高市政権高官が18日、記者団に対し、個人の見解とした上で「日本は核(兵器)を保有すべきだ」と発言した問題を受け、公明党の斉藤鉄夫代表は19日、国会内で記者団に対し「被爆80年の節目に、このような発言が出たことに驚きと怒りを感じる。核政策は、国家の根幹に関わるものであり、担当者が軽々に個人的見解を発言すべき問題ではない」と厳しく指摘した。斉藤代表の発言は大要、次の通り。

■「非核三原則」の堅持貫け

 一、今、世界では核(使用)のリスクが高まっている。(核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という)非核三原則核兵器不拡散条約(NPT)体制の二つの原則を貫くことは、唯一の戦争被爆国である日本にとって大変重要であり、そのこと自体が日本の安全保障の根幹だ。この発言は、日本の外交・安全保障政策の根幹が揺らいでいることを国際社会に示すものだ。

 一、核を保有することは、日本の外交的な孤立を招くだけでなく、日本の安全保障環境を劇的に悪化させるものだ。そういう意味からも、安全保障を担当する政府高官から、このような発言が出たことは許せない。国際社会に与える影響は大きい。今、日本が置かれている国際状況の中で、日本の外交的立場に大きな悪影響を及ぼすような発言は慎むべきだ。担当者として適格性に欠き、罷免に値する。

 一、私は(11月の高市早苗首相との)党首討論で、非核三原則をテーマに掲げた。高市首相は「政策上の方針として堅持している」という答弁はあったが、(国家安全保障戦略など)安保3文書の見直しの中で「(引き続き)堅持する」という発言はなかった。そうした機運の中で、官邸の安全保障問題に対する緩み、弛緩の雰囲気が出たのではないかと感じる。