公明新聞電子版 詳細ページ

ピックアップ

(衆院選)「政治とカネ」終止符を

公明新聞2026年1月31日付 3面

 2月8日(日)投開票の衆院選で争点の一つとなっているのが、自民党の不記載問題、いわゆる“派閥裏金事件”に端を発する「政治とカネ」を巡る問題への対応だ。これまでの経緯と、改革に後ろ向きな自維政権の対応などをまとめた。

■“派閥裏金事件”が発端/全容解明遠く 政治不信の原因に

 現在、問われている「政治とカネ」を巡る問題は、自民党派閥で、政治資金パーティーの収入について、法律で政治資金収支報告書への記載が義務付けられているのに、それが行われていなかった多数の事例が発覚したことが発端だ。2023年11月に全国紙などが相次いで報道し、問題が表面化した。

 派閥が主催する政治資金パーティー券を巡っては、目標(ノルマ)より多く売れた分の売り上げを議員に還流する「キックバック」などが横行していたとされ、これらが、公開されている政治資金収支報告書に記載されていなかった。このため“裏金”と呼ばれている。東京地検特捜部は、政治資金規正法(政規法)違反などの容疑で国会議員や秘書、派閥職員らを立件した。

 24年2月に公表された自民党の所属議員らへの調査では、不記載があった議員らは計85人で、総額は18~22年の5年間で5億7949万円に上った。その後、地方議会においても、「都議会自民党」のパーティー収入の不記載が明るみになった。

 こうした不記載について、日本大学教授の西田亮介氏は、ニュースメディア「JBpress」(23日配信)で「単なる事務的なミスや一部の不注意といった説明では到底看過できない、組織的かつ執拗な法軽視の姿勢が浮き彫りになった」と指摘している。

 昨年夏の参院選後にも、還流に関わった議員名が裁判で明らかになるなど、新事実が発覚している。組織的な裏金化が始まった経緯などの全容解明は、ほど遠いのが現状だ。

 また、国民の政治不信の根底にあるとされる企業・団体献金のあり方については、各党から規制強化に向けた法案などが提出される一方、合意形成が進まず、結論が先送りとなっている。

■自民、関係44人を公認 「重複」も認める

 今回の衆院選で自民党は、派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載のあった関係議員ら44人を公認し、比例との重複立候補も原則認めた。前回の衆院選(24年)では、一部候補を非公認とし、残りの候補についても重複立候補を認めなかった。

 自民党の鈴木俊一幹事長は「前回衆院選で国民の審判を受けた」と強調する。マスコミ各紙からは「国民の政治不信を甘く見ているのではないか」(24日付「朝日」)、「反省がうかがえない。突然の選挙のどさくさに紛れて、うやむやに終わらせることは許されない」(27日付「毎日」)と厳しく指摘されている。

■有権者の関心高く

 「政治とカネ」の問題に対する有権者の関心は依然として高い。

 23~25日に実施された読売新聞の全国世論調査では、今回の衆院選で投票先を決める時に特に重視したい政策や争点(複数回答可)のうち、「政治とカネ」を挙げた人が55%に上った。

 毎日新聞が24~25日に実施した調査でも45%の人が「政治とカネ」の問題を「考慮する」と答えた。

■中道、企業献金規制訴え/自民「そんなこと」(高市首相)と後ろ向き

 新党「中道改革連合」(略称=「中道」)は、衆院選の基本政策に「政治とカネをめぐる問題への終止符」を打つと明記。企業・団体献金の規制強化などを掲げた。具体的には、献金の受け手を政党本部と都道府県単位の組織に限定し、政治家個人が支部長を務める政党支部への献金をなくすことで、透明性を向上させる。

 加えて、政治資金をチェックする「第三者機関」(政治資金監視委員会)の創設を具体化させることも盛り込んでいる。

 一方、「政治とカネ」を巡る問題の“当事者”であるはずの自民党は、企業・団体献金の規制強化について、高市早苗首相が「そんなことより」と発言するなど、後ろ向きだ。衆院選の公約でも、企業・団体献金の規制強化については、具体的に言及していない。

 連立を組む日本維新の会は元々、企業・団体献金の禁止を訴えていたが、連立入り後、その主張を後退させた。自民、維新の連立合意書に盛り込まれた議員定数の削減も「自民が企業・団体献金の廃止をのめないため、改革姿勢を印象づけるための論点のすり替え」(25年12月3日付「朝日」)と批判されている。

(衆院選)「政治とカネ」終止符を 2026年1月31日付 | 公明新聞電子版プラス