きょうは「ほじょ犬の日」。公明党のリードで「身体障害者補助犬法(補助犬法)」が24年前に成立した日だ。補助犬は、障がい者の生活を支える“体の一部”だが、社会的認知度は高いとは言えない。使用者の声を紹介し、日本介助犬協会の髙栁友子理事長に話を聞いた。 ■障がい者支える“体の一部” 名古屋市に住む佐藤洋子さん(48)が赤信号の横断歩道に差し掛かると、盲導犬エーデルはピタッと止まり、ハーネス(胴輪)を通して佐藤さんに横断歩道の手前であることを伝える。青になると佐藤さんの発進の指示を聞いて先導し、目的地まで一緒に歩く。その間、自動車や工事現場の音に驚く様子もなく、すれ違った人にほえることもなかった。 佐藤さんは小学1年生の時、国の特定疾患「網膜色素変性症」と診断された。光を感じる網膜の細胞が徐々に減少する遺伝性の進行性疾患で、医者からは「将来、必ず失明する」と。 その後、白杖を使った歩行訓練を行い、点字も覚えた佐藤さん。目が見えないことによる生きづらさは想像を絶するものだった。 ■「一緒だと心に余裕持てる」 そんな佐藤さんが盲導犬に出会ったのは2002年2月。訓練を経て盲導犬と暮らし始めて「世界が一変した」という。「白杖だと足元しか探れず危険を避けるだけで、いっぱいいっぱいだが、盲導犬と一緒だと高い位置にある障害物なども事前に教えてくれるので心に余裕を持てる」 ただ、経済面での負担がのしかかる。盲導犬の餌代などで月3万円弱の出費があり、病気で入院すれば10万円以上かかることも。被毛の手入れやマナーコートの洗濯、外出先でのトイレの準備など手間もかかる。現在、社会福祉法人・中部盲導犬協会で働く佐藤さんは「エーデルと暮らすことが働くモチベーションになっている」と笑顔で語る。 ■今なお同伴拒否が後絶たず 補助犬法では①目の見えない人をサポートする盲導犬②手や足に障がいのある人の生活を支える介助犬③耳が聞こえない人に生活音を伝える聴導犬--を補助犬として規定しているが、佐藤さんら使用者を今なお悩ませているのが「一緒に店などに入らせてもらえないことがある」こと。 補助犬は特別な訓練を受けており、公共施設や交通機関、飲食店、病院など、さまざまな場所に同伴でき、同法では「不特定多数の人が利用する施設等では、使用者が補助犬を同伴することを拒むことはできない」と規定されているが同伴拒否は後を絶たない。さらなる理解促進が必要だ。 ■公明、普及へ法制定リード 公明党は補助犬法の制定をリードするとともに、補助犬の普及・啓発や支援拡充を訴えてきた。 1998年には大野由利子衆院議員(当時新党平和)が聴導犬の公的認定と普及促進に関する質問主意書を提出。政府から「必要がある場合には、研究費の助成等を行うことについて検討する」との見解を引き出し、2002年の同法成立のきっかけを生んだ。07年の同法改正では、一定規模以上の民間企業への補助犬受け入れ義務化や、都道府県や政令市などへの相談窓口設置などを実らせた。 静岡県や鳥取県、名古屋市などでは、公明議員が補助犬の普及、理解促進を求める議会質問や要望活動などを行っている。 ■“一緒に住む権利”保障を/日本介助犬協会 髙栁友子理事長(医学博士) 公明党は補助犬法の成立に深く関わってくれた。同法により、補助犬と使用者の社会参加の権利が保障されたことには大きな意義がある。 ただ、生活の基盤である住居問題に関しては努力義務になっている。障がい者が補助犬と“一緒に住む権利”が法律で保障されるようにしてほしい。賃貸住宅の場合、補助犬と一緒となると入居を断られることもある。貸す側には、障がい者を差別している意識はないが、知識の欠如や理解不足により「犬の問題」として断ってしまう。本質的には、障がい者の人権の問題だ。 また、窓口に行った際、担当者が補助犬について知らないという自治体が多い。部署異動の際に研修会を定例化することで、解決できる。 公明党の地方議員には、自治体の窓口対応の状況や住まいの保障などを議会で取り上げ、ぜひ普及・啓発に尽力してほしい。