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(新春てい談)庶民の心に根差す「中道政治」が未来開く/一般財団法人日本総合研究所会長・寺島実郎、公明党代表・斉藤鉄夫、公明党代表代行・竹谷とし子

本日無料公明新聞2026年1月1日付 1面

 あけましておめでとうございます。今回の新春てい談は、一般財団法人日本総合研究所の寺島実郎会長と公明党の斉藤鉄夫代表、竹谷とし子代表代行です。現下の国際情勢、日本政治の実情から日本の進むべき針路のほか、野党となった公明党の果たすべき役割などについて大いに語り合ってもらいました。

■(寺島)創造的民主主義をめざして共感生む政策練り糾合せよ

■(斉藤)合意形成担い衆望に応える

■(竹谷)誰もが安心の共生社会構築

■政治思想を超えた政策の選択肢提示

 斉藤 公明党は昨年10月、自民党との連立政権に区切りを付け、中道改革勢力の結集軸となることをめざして新出発を切りました。

 竹谷 中道改革の旗印となる社会保障安全保障・外交、経済・エネルギーなど、五つの政策の柱を掲げ改革を進めます。野党となった公明党をどのように見ていますか。

 寺島 連立離脱の背景にあった「政治とカネ」の問題は、“民衆の心”が臨界点に来ていたということでしょう。国民のいら立ちを受け止め、熟慮した末の大きな決断だったと理解しています。

 1964年の公明党の結党当時は冷戦期で高度経済成長とともにイデオロギー対立が進み、政治や社会から取り残された人々が多くいました。公明党はイデオロギーを超えた日本人の心の基軸に焦点を当て、政策的な選択肢を提示してきたと評価しています。民衆の心を見つめ続ける政党として進んでいくのが党のあるべき姿であり、存在意義でもあると思います。

 斉藤 長年政権運営を担った経験がある野党として、他党にはない強みを生かし与党に政策実現を迫っていく決意です。

■国民の大宗は中道、経済的安定が願い

 寺島 世界全体が強い指導者を望み、国家主義、専制主義に回帰しているような空気があります。「力こそ正義」という流れに対し、日本の立ち位置をはっきりさせないといけません。

 日本でも左派政党が勢いを失い、右派が勢力を伸ばしています。しかし実は、日本人の6割以上は日本のあり方として「中道」を志向しています。国民が望んでいるのは国家のレジリエンス(回復力)、つまり経済的な安定、そして安全です。中道という軸に共感する多くの国民をどうまとめていけるかが、日本政治の一つの課題でしょう。

 斉藤 日本政治は多党化が進む時代を迎え、ポピュリズム(大衆迎合主義)的な動きも広がっています。公明党は、いわゆる左でも右でもない、中道という旗の下に、各政党との“接着剤”“凝固剤”となって、「衆望」に応える政治を断じて前に進めていく決意です。

 寺島 日本は戦後、米国の進駐軍によって民主主義がもたらされた歴史があります。「日本らしい考え方に戻ろう」という誘惑が絶えず起こっており、右派勢力の旗印となっている感があります。

 戦後民主主義をどう守り抜くか。もっと言えば、これまでの「与えられた民主主義」を成熟させつつ、さらに進化させた創造的民主主義をいかに構築していけるかが、中道政党に問われています。

 竹谷 近年では世代間の対立をあおる風潮も見られます。そうではなく、一人一人が社会を支えていくという考え方を広く共有し、政策として実現する。そこに、新たな民主主義の形が見えてくると考えます。公明党は対立を超えて、誰もが安心できる共生社会を構築していきます。

核廃絶へ日本が潮流つくる先頭に

 竹谷 現在、核兵器使用のリスクがかつてないほど高まっているとの危機感があります。唯一の戦争被爆国として断じて容認できません。核兵器不使用の潮流を日本が先頭に立ってつくるべきです。

 斉藤 核兵器は「絶対悪」であり、核廃絶は公明党の原点です。公明党は与党時代から政府に対し、幾度となく核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を求めてきました。

 寺島 米国の「核の傘」にあるからと言って、オブザーバー参加で米国との関係が険悪になるということではない。むしろ、被爆国である日本が声を上げなくてどうするのかと世界は見ています。

 竹谷 平和の党として昨年、「平和創出ビジョン」を発表し、大使級が日常的に政策課題について話し合う「北東アジア安全保障対話・協力機構(仮称)」の設置を提起しました。アジアにおける日本の役割をどう見ますか。

 寺島 求められる外交の基軸は多国間協力と非核平和主義です。日本にとって、アジアは経済的にも重要性が増しています。自国第一主義の米国をアジアで孤立させることなく、影響力を保持できるよう日本が橋渡し役を担うことが大切です。

 一方、中国との関係は歴史的経緯から見ても、今後も向き合い続けることが日本の宿命です。関係が悪化する中、日中にブリッジを架けてきた公明党の役割は大きい。その存在感は、一層問われてくるでしょう。=2面に続く

 てらしま・じつろう 1947年、北海道生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。三井物産常務執行役員などを経て2016年から現職。多摩大学学長、寺島文庫代表理事も務める。著書に『世界認識の再構築』など。