長期化する中東情勢に対応するための2026年度補正予算案(一般会計の歳出総額3兆1135億円)が、4日の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。中道改革連合は「97%が予備費で占められており、税金の使い方を何ら示すことなく『白紙委任』を求めるものだ」などとして反対した。これに先立ち、衆院予算委員会では高市早苗首相らが出席して基本的質疑が行われ、中道の小川淳也代表、山本香苗代表代行、伊佐進一広報委員長、長妻昭氏が、現場の声を踏まえた対策の実施などを訴えた。 ■予備費では対応不十分 小川代表は、中東情勢への対応がほとんど予備費の計上のみだとして「今は備える時期ではなく、進行中の危機に具体的に対処するべき時期だ」と指摘。予算の使い道と効果の明示が必要だと強調した。 ■石油依存脱却へ構造改革も ガソリンなどの価格を引き下げる補助金を巡っては、短期的措置としてやむを得ないとする一方、「財政負担は増すばかりで、EV(電気自動車)への転換などが遅れる」として、出口戦略の設定と、石油依存から脱却する構造改革を訴えた。 山本氏は、6月に値上がりした飲食料品の品目が前月比約13倍となるなど、物価高が国民生活を直撃していると述べ、厳しい状況の低所得者や子育て世帯への速やかな現金給付を要請した。事業者支援についても、従業員への休業手当を助成する雇用調整助成金の支給要件緩和などを求めた。 ■物資を早く現場に供給 石油関連製品の原料となる「ナフサ」の供給不安を巡って、小川代表は「シンナーが5倍に値上がりしている」といった工務店の声を紹介し、オイルショックなど過去の対応を参考に、公的介入による流通管理を検討するよう提案した。 山本氏はシンナーや塗料の不足について、物資が現場まで届くことが重要だと力説。事業者らの安心につなげるため、供給の具体的な見通しの公表を迫ったが、政府側は応じなかった。 また山本氏は、医薬品や医療機器などの確保に関する政府の対策本部に、介護や障がい福祉の分野を担当する部局を加えるよう求めた。同分野について、医療の物資供給情報を提供する厚生労働省の窓口で相談を受け付けることも要望した。 ■消費税減税、いつ実施か 食料品の消費税減税について、小川代表が税率と関連法案提出時期を尋ねたのに対し、高市首相は「現段階で方向性は決まっていない」と答弁。小川代表は、社会保障国民会議で具体的な議論がない段階で減税を巡る報道が先行していることに触れ「(同会議を)政府の隠れみのにするべきではない」と述べた。 山本氏は、減税と現金給付を組み合わせて支援する給付付き税額控除について、働きたくても働けない人も対象とするよう主張。平時から所得を把握する同制度の仕組みを活用して、緊急時に支援を早く届ける基盤を整備することも提唱した。 ■高市政権の姿勢ただす 伊佐氏は、高市首相の秘書が2月の衆院選などで他候補を中傷する動画の発信に関わったとする週刊誌報道を巡り、公開された音声の真偽をただした。質問通告で確認を求めていたが、首相は「会員制の有料オンラインなので確認できなかった」などと述べた。伊佐氏は「何のための質問通告か」と苦言を呈した。 長妻氏は、個人情報保護法改正案に言及。統計作成が目的の場合、医療機関などが本人の同意なく氏名と住所入りの病歴情報(要配慮個人情報)を企業や個人事業主に提供できることに強い懸念を示し、仮名にするなどの修正を訴えた。