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(党農林水産業キャラバン)コメ増産、安定供給へ/先進農業の現場視察/千葉・柏市で谷合、角田、平木氏ら
公明党の谷合正明農林水産業活性化調査会長(参院会長)と角田秀穂農水部会長(衆院議員)は8日、各地の農林水産業の現場を調査し政策立案に生かす「農林水産業キャラバン」の一環として、千葉県柏市を訪れ、政府によるコメの増産方針を受け、コメの安定供給に向けた先進事例を調査した。平木大作参院議員らが同行した。
一行が訪れたのは、農地の大規模化を進め、水田150ヘクタールでコメを作る株式会社柏染谷農場。同農場では、夏に稲を長く残して収穫した後の切り株に、肥料と水を入れて育て秋に再び収穫する「再生二期作」を今年から実施している。品種は千葉県独自のブランド米「ふさこがね」を使用し、3・3ヘクタールの規模で行っている。
■再生二期作でコスト減
再生二期作は、年間の生産量を上げるとともに、従来の二期作に比べて植え直しが不要なため、労力や生産コストを抑えることができる。地球温暖化で気温が上昇している現状を逆手に取った農法として、注目されている。
一行は、染谷茂代表取締役の案内で、主食用米の稲刈り作業や再生二期作の水田をはじめ、乾燥調製施設で収穫したコメを玄米にする作業工程を視察した。
染谷代表取締役は、再生二期作の状況について、すでに1回目の収穫が終了し、11月ごろに2回目の収穫を予定していると報告。「経営のプラスになれば」と語り、来年以降は規模を拡大していく考えを示した。一方で、長期間の水の確保や設備投資などの課題を指摘した。
また、無線操縦ヘリコプターによる肥料散布やGPS技術を導入した田植え機といったスマート農業を展開していると説明。さらなる省力化を進める上で、完全無人作業機の導入など農業技術を発展させていく重要性を述べた。
一方、農地の荒廃や後継者不足により、農家が年々減少している現状に危機感を抱いていると強調。地元の小中学生を対象に行っている田植えや稲刈りといったコメづくり体験に触れ「若者にも農業に魅力を感じてもらいたい」と話し、支援を求めた。
■大規模・スマート化推進も
視察後、谷合氏は「再生二期作をはじめ、農地の大規模化やスマート農業の推進など、コメ増産に向けて総合的に支援する必要を改めて実感した。魅力ある農業をめざし、党として全力で推進していく」と語った。