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(公明、経済対策を官房長官に提言)即効性ある支援、家計へ/重点地方交付金、拡充を/物価高に水道料金、食料品の負担軽減など
公明党の岡本三成政務調査会長は14日、首相官邸で木原稔官房長官に対し、物価高を踏まえ、政府が検討を進めている総合経済対策に関する緊急提言を申し入れた。岡本政調会長は「現場で生活している方々が何に期待しているのかをまとめた。なるべく早く支援が届けられるよう準備をお願いしたい」と要請。木原官房長官は提言を受け止め、検討していく意向を示した。提言には、中野洋昌幹事長代行、上田勇参院議員、浮島智子衆院議員の各政調会長代理が同席した。
提言には、参院選で掲げた重点政策のほか、党政策要望懇談会を通じて物価高などに直面する各種団体から寄せられた声も反映した。
大きな柱の一つは、物価高で苦しむ家計の負担を軽減する「即効性のある緊急支援」だ。自治体独自の物価高対策の財源となる「重点支援地方交付金」を拡充し、事務コストがかからず早くできる水道基本料金や、食料品への支援などができるようにすることを提唱。減税と、現金給付などによる迅速な支援や電気・ガス料金の負担軽減も促した。
席上、岡本政調会長は同交付金について、実現には地方議会で予算を成立させるプロセスがあることを踏まえ「来年の3月議会ではなく、今年の12月議会に間に合うくらいの勢いで対応をお願いしたい」と要請。木原官房長官は「検討していきたい」と答えた。
■賃上げ促進と科学技術への大胆投資で日本経済を強く
一方、提言には力強い日本経済の実現へ、持続的な賃上げ促進と、科学技術への大胆な投資、科学技術予算の倍増などを盛り込んだ。家計の可処分所得を増やす減税では、食料品に対する消費税の軽減税率を福祉的な観点から恒久的に引き下げる措置などを提案。新たな財源を生み出すための「ジャパン・ファンド(政府系ファンド)」創設も明記した。
子ども・子育て支援、教育改革、防災・減災、被災地の復興、食料安全保障の確保といった分野でも対策をまとめた。
■党のネットワーク生かし迅速に実行
終了後、岡本政調会長は記者団に対し、重点支援地方交付金の迅速な実行に向け「公明党には全国に約3000人の地方議員がいる。わが党のネットワークの力を駆使しながら、一日でも早く生活者の皆さんにお届けできるよう努力していきたい」と決意を述べた。