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備蓄米7月まで放出/毎月実施、4月下旬に10万トン/コメ価格上昇受け政府
江藤拓農林水産相は9日、政府備蓄米を夏までの間、毎月放出すると発表した。21日の週には3回目として10万トンの入札を行う。
政府は3月、2回に分けて計21万トンの入札を実施。同月末から一部スーパーの店頭に並び始めたが、価格高騰を抑え込めておらず、2025年産米が出回り始めるまで継続的な放出が必要と判断した。官邸で石破茂首相と面会後、記者団に明らかにした。
江藤氏は今後の追加放出は7月まで計4回で、3回目は今月23~25日ごろを想定していると説明した。5月以降の放出量は状況を見て判断する。江藤氏は「流通の世界でコメが足りないという状況は、備蓄米の放出で解消する」と強調した。
石破首相からは、必要に応じて「さらなる対応策」を検討するよう指示があったという。農水省は来週、流通の円滑化に関して卸売業者や大手小売業者らとの意見交換会を開く。
同省は7日、3月24~30日に全国のスーパー約1000店舗で販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が前週比で10円高い4206円だったと発表。13週連続の値上がりとなった。
3月に実施した備蓄米の入札では、初回に約14万トン、2回目に約7万トンが落札された。落札数量は計21万2132トン、平均落札価格は60キロで2万1053円だった。
■公明の提案踏まえた対応/岡本政調会長
4月から7月まで政府備蓄米を追加放出すると江藤拓農林水産相が表明したことを巡って、公明党の岡本三成政務調査会長は9日、国会内で行った記者会見で「一日も早く市場の安定化を促しながら、家庭の皆さんが今後も継続的に安心して、主食であるコメの購入をためらうことのない状況をつくりたい」と語った。
岡本政調会長は、公明党がコメの価格高騰対策に一貫して取り組んできたと強調。高橋みつお参院議員(参院選予定候補=兵庫選挙区)が、政府備蓄米を不作時のみならず流通の円滑化などにも活用できるよう訴えてきた経緯に触れ、今回の対応も含めて「わが党の提案をそのまま政府案として実現していることを評価したい」と述べた。
さらに、コメの生産農家への支援も重要だとして「生産者が安心して仕事を続けられる政策や仕組みを政府としっかり連携して作っていく」と力説した。