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ガソリン減税年内実施、与野党が合意/暫定税率廃止法の成立早く/協議体を設置し法案の具体化へ

公明新聞2025年7月31日付 1面

 自民、公明、立憲民主など与野党6党の国会対策委員長は30日、国会内で会談し、ガソリン税の暫定税率について、年内に廃止するとした合意文書を交わした。公明党の佐藤英道国対委員長が出席した。

■財源、地方財政への影響も議論

合意文書に署名したのは、自民、公明、立憲、日本維新の会、国民民主、共産の各党。合意文書では、暫定税率廃止を巡り「財源確保、流通への影響、地方財政への配慮などの課題を含め、速やかに与野党合意の上、法案を成立させ、今年中のできるだけ早い時期に実施する」と明記。8月1日召集の臨時国会中に与野党による協議体を設置した上で、法案内容や必要な施策について閉会中も精力的に検討し、早期に実施できるよう合意をめざす方針を盛り込んだ。

 席上、佐藤国対委員長は、暫定税率廃止について、自民、公明、国民民主の3党幹事長間で合意していると説明。「いつ実施するか財源も含めて結論を出さなければならず、早く議論を始めた方がいいと考えていたことから、今回の合意は大変に意義深い」と強調した。

 検討に当たっては、年末の税制改正協議を待つことなく進めていくべきだと力説するとともに「現場で混乱を起こさないことと、ユーザー負担の軽減が両立するようにしていく必要がある。できるだけ速やかに実施できるように議論を進めていきたい」と述べた。

■ガソリン暫定税率とは?

■1リットル当たり25・1円課税、使途限定のない一般財源

 暫定税率は、1974年に道路整備の財源に充てるために一時的な措置として始まった。

 導入後、税率が2度引き上げられ、79年に現在の水準になり、2009年には使途を限定しない「一般財源」となった。翌10年には民主党政権下で「当分の間税率」と名前を変え、現在まで維持されている。

 ガソリンの購入価格には、本体価格や10%の消費税などのほか、1リットル当たり53・8円のガソリン税が含まれる。ガソリン税は現在、本則税率分の28・7円と暫定税率分の25・1円からなる。また、軽油にかかる軽油引取税も同様で、本則税率分15・0円に暫定税率分の17・1円を加えた計32・1円がかかる。

 ガソリンや軽油の暫定税率による税収は、国と地方を合わせて年間約1・5兆円。道路や橋、トンネルなどのインフラ整備だけでなく、国の財政赤字を抑制するための財源の一部とされてきた。そのため、暫定税率を廃止した場合、ガソリン価格が下がる一方、国と自治体の税収減を補う必要があり、暫定税率に代わる財源の確保が不可欠になる。

臨時国会、会期は5日間

 衆院議院運営委員会は30日の理事会で、臨時国会の会期を8月1日から5日までの5日間とすることを決めた。

 これまで与党は会期幅を5日間とするよう主張。野党側はガソリン税の暫定税率廃止法案の扱いについて、与党と合意したことを踏まえ受け入れた。

 臨時国会では先の参院選を受け、参院の正副議長や常任委員長などを選出するほか、特別委員会を設置する。

 また、衆院予算委員会では、日米関税交渉の合意を踏まえ、石破茂首相が出席して集中審議を行う。参院予算委でも同様のテーマで集中審議を行う見通し。