東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故に見舞われた福島県浜通り地域で「福島イノベーション・コースト構想(イノベ構想)」の具現化が進んでいる。これまで県内外の新興企業約400社が進出。とりわけロボットやドローンの一大開発実証拠点「福島ロボットテストフィールド」のある南相馬市では「航空宇宙産業」が芽吹く。公明党は、浜通りの産業再生へ一貫して取り組んできた。=東日本大震災取材班
■軽量飛行機、製作通して人材育成
県立テクノアカデミー(南相馬市)は、学生による軽量飛行機「ライトスポーツエアクラフト(LSA)」の製作を通し、次世代航空産業の人材を育成している。
これは2020年11月、公明党の伊藤達也県議が内堀雅雄知事に「LSA製作による人材育成」に関する企画書を提出したことに始まる。21年2月定例会でLSA導入を質問。この提案を受け県は全長約6メートル、重量約350キログラムの2人乗りLSAを2機導入した。
22年9月、同校の学生とエアレースパイロットの室屋義秀氏が代表を務める株式会社パスファインダーが連携し、LSAの製作を開始。約3年かけて完成させ、昨年3月に空を飛んだ。県によると、人が乗る飛行機を学生が製作したのは国内で初めて。同年の大阪・関西万博へ出展した福島県ブースにも展示された。
室屋氏は「航空産業に就職した学生も輩出し、成果が見えつつある。伊藤県議の熱い思いと行動が実ったものだ」と謝意を表明。伊藤県議は「航空産業は、部品点数が多く、関連産業の裾野も広い。多様な企業が浜通りに集い、この地から世界へ羽ばたく技術が生まれるよう後押ししていく」と決意している。
■耐放射線カメラ、衛星の技術を廃炉へ
南相馬市に事業所を置く電子機器製造業「マッハコーポレーション」(本社、横浜市)は小型衛星搭載用の地球観測カメラや東京電力福島第1原発の廃炉作業でも使用できる耐放射線カメラの実用化をめざす。
また、同社が開発した耐放射線カメラは昨年12月、
「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」に搭載され、ニュージーランドのマヒア半島の発射施設から打ち上げられた。宇宙空間という高い放射線量の環境下でも安定したカラー画像を撮影した。
同社の赤塚剛文社長は廃炉作業には高放射線量下で稼働するカメラが必要なことを知り、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発。一方、伊藤県議は福島イノベーション・コースト構想推進機構に働き掛け、同社を県の「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」の対象になるよう後押しした。
赤塚社長は「伊藤県議と共に“メイド・イン・福島”の技術を広げていくために、若者中心に人材育成を進めたい」と語っている。





