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「公明らしさ」発揮を追求/平和、共生社会構築の力に/外国特派員協会で斉藤代表が講演

本日無料公明新聞2025年10月21日付 1面

 公明党の斉藤鉄夫代表は20日午前、東京都千代田区の日本外国特派員協会で講演し、今後の党の方向性について「『大衆とともに』の立党精神に立ち返り、『公明党らしさ』をどう発揮していくか追求していく。人間主義に立脚した良識ある中道改革の党として日本のために役割を果たしていきたい」との考えを力説した。斉藤代表の発言は大要、次の通り。

■衆院議員の定数削減/特定の政党間だけで決めるのは極めて乱暴

 【斉藤代表の講演】

 一、世界は今、分断・混迷の時代に突入している。極端な右傾化やポピュリズムが台頭し、多党化の潮流が加速している。日本が抱える難題を解決するには、国民の政治に対する信頼回復はもとより、対立を超えた責任ある政治が不可欠だ。

 一、その大きな柱となるのは、例えば▽東アジアおよび世界の平和と安定を図る外交・安全保障▽少子高齢化に対応した社会保障と税の改革▽日本経済を強くする成長戦略▽科学技術力を生かした新たなエネルギー政策の推進--などではないか。こうした政策の実現に取り組んでいく。

 一、分断と対立をエネルギーにして支持を広げる風潮を、福祉の党、平和の党として危惧する。誰も切り捨てない生活者目線の改革で、あらゆる偏りを是正する。そして差異を乗り越える相互理解、人権尊重を促進し、人間中心の中道政治を体現していきたい。包括的で、全ての人々が共に生きる共生社会の構築に力を尽くしていく。

 一、公明党は今年5月、戦後80年、被爆80年、国連創設80年の節目に「平和創出ビジョン」を取りまとめた。「人間の安全保障」を中心に据えたビジョンだ。平和の党・公明党としてビジョンで提示した政策の実現に努力していく。

 【質疑応答】

 一、(自民党と日本維新の会が合意した衆院議員定数の1割削減について)公明党は定数削減の議論そのものには反対しない。現行制度の軸は、民意の集約を果たす小選挙区と、民意の反映を目的とする比例区であり、国会で長時間、議論された結果、小選挙区、比例区の割合を3対2とする基本理念が確立した。定数を50削減するなら、小選挙区30、比例区20を削減することが妥当だ。

 一、比例区のみを削減する案は、この基本理念を無視するのみならず、民意の多様化という時代の真逆をいくものだ。少数意見のすくい取りができなくなる。そもそも選挙制度という民主主義の根幹を特定の政党間だけで決めるのは極めて乱暴だ。これまで同様に全党が参加する各党協議会で丁寧に議論するべきだ。