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中道改革連合に期待

公明新聞2026年1月25日付 1面

 中道改革勢力の結集をめざす新党「中道改革連合」(略称=「中道」)が今月結成されました。「生活者ファースト」を原点に据え、平和を守る人間中心の社会をめざす政治集団の誕生について、各界の識者に期待やエールを寄せてもらいました(順不同)。

■日本政治の大きな転換点/同志社大学教授 吉田徹氏

 高市政権となり、自民党は「政治とカネ」の問題で譲歩せず、右傾化の姿勢も隠さなくなり、自公連立政権が崩壊するきっかけをつくった。これに対抗するための中道の大きな塊をつくろうとするのが「中道改革連合」だ。

 政治の“磁場”は右に移行しつつあり、これに対するブレーキ役を果たす役割もある。公明党のビジョンを基にした中道の政策には、合理性があり、日本社会の中長期的な持続可能性を探るものだ。

 日本は人口が減少し、国力が減退していく途上にある。こうした中で、共生と支え合いを可能にする社会へ政策パラダイム(物の見方や捉え方)を変えていかなければいけない。厳しい現実に適合する政策をいかに作り出していくかが、問われることになるだろう。

 働けても、働けなくても、安心して暮らせる平等な社会をつくっていく。派手さはないかもしれないが、中道が掲げる「生活者ファースト」は、来る日本のビジョンであり、そうしためざすべき政策を共有する国会議員が結集していくのは、大きな転換点となるだろう。

 今、米国や中国をはじめ、どこの国も“自国ファースト”へと転換しつつある。各国が自国ファーストにかじを切ると、国土が狭く資源も少ない日本が最も脆弱な存在となる。

 歴史を振り返ると、明治維新後、当時の先進国並みに植民地を拡大する帝国主義で進もうとして痛みを負ったのが日本の近代史だ。同じ轍を踏むべきではない。

 自由で開かれた国際秩序をめざす理念を大事にする中道に期待したい。

■大衆迎合に一定の歯止め/国士舘大学大学院客員教授 八幡和郎氏

 衆院選が実施される。理屈なき衆院解散ではあるが、公明党が貫いてきた中道政治の理念に基づいて結成された新党「中道改革連合」には、ぜひ比較第1党をめざして頑張ってもらいたい。

 新党設立は、左右のイデオロギー対立が世界的にも日本でも進む中で、公明党が中道政治を訴え結集軸となろうと決意した結果だ。中道が大きな塊となれば、「弱肉強食」のような考え方にも現実性を欠いたポピュリズム(大衆迎合主義)にも一定の歯止めをかけることができる。

 かつての自公政権は、公明党が自民党のブレーキ役として大きな成果を上げてきた一方、自民党への配慮から、独自の大改革は提案しづらかった。今こそアクセル役として公明出身者が大胆な政策を進めてほしい。

 国会議員数では、立憲民主出身者と比べ公明出身者は少ないが、中道を支持する公明党の地方議員は約3000人と立憲を圧倒し、影響力は極めて大きい。党員数も公明党の方がはるかに多い。そういう意味で公明出身の中道議員には、草の根の期待を背負っているとの自覚と自信を持って積極的に頑張ってほしい。

 一方、高市政権は「安倍晋三元首相の考えを継承している」としているが、安倍内閣は自公連立を大事にしたし、中国との関係や財政規律にも行き過ぎた保守色は控えていたので、安倍内閣時代の政策の良い部分は、中道にこそ引き継がれている。自民支持者らが新党になびいたとしても、それは変節ではない。ともかく、衆院選で中道は勝つしかない。中道主義を日本の政治のど真ん中に据え、世界から信頼される国家になってほしい。

■現実的外交で平和の道を/元駐キューバ大使、法学博士 宮本信生氏

 「中道」を掲げる新党の結成は、世界の歴史の潮流が求めている動きであり、心から歓迎したい。ほぼ完全な形で残る世界で最も古い成文法である「ハムラビ法典」の序文には「弱者を強い者から擁護する」ということが書いてある。分断と対立の時代に、平等で平和な社会をめざす新党の志は、この普遍的な精神に通じるものだ。

 現在、日本の外交にとって最も重要な中国との関係が悪化している。過去の戦争に対する反省が薄れ、自らの名誉心のために関係を崩しかねない今の風潮は危うい。日中間の交流の歴史は、約1800年前の卑弥呼の時代にまでさかのぼることができる。その後、紆余曲折はあったが、日本と中国は地政学的に切っても切れない関係にある。好き嫌いを超え、中国との関係を再構築しなければ、今後の日本の平和と発展はないだろう。

 外交の要諦は、相手の「メンツ」を立て、粘り強く交渉することだ。1972年の日中国交正常化の際も、日本は中国の顔を立てつつ、台湾にも礼儀を尽くして、血を流さぬよう努力した。こうした現実的な外交政策が今、求められている。

 一方、安全保障政策には、外交の裏付けとなる抑止力も必要だ。しかし、それはあくまで「やむにやまれぬ時」のためであり、万一の事態が起こらないように外交努力を尽くすべきだ。

 もし今、中道の勢力が敗れてしまえば、日本は30年代のように排他的な右傾化の道を歩みかねない。中道改革連合には、絶対に戦争を起こさせないとの覚悟の下、「現実的で謙虚な党」として、日本を安全で、発展する社会へ押し上げてほしい。

■「国民あっての国」の信念で/“夜回り先生” 水谷修氏

 公明党と立憲民主党などの衆院議員が参加した「中道改革連合」の結成に、「昨日の敵が今日の味方」と不思議に思う人もいるだろうが、私は高く評価する。

 公明党は自民党との連立で子どもたちや困難を抱える人たちのための政策を数多く実らせた。これは誇るべき歴史だ。しかし、自公連立政権は昨年10月、解消された。自民党が高市早苗新総裁の下、政治とカネを巡る疑念払拭や企業団体献金改革に後ろ向きな姿勢に終始したからと言えよう。

 物価高騰で国民生活が苦しさを増す中、新年度予算の年度内成立などを放棄してまで、衆院総選挙を行うという。支持率が高い間に急いで総選挙を行い、政権基盤を強めたいという高市氏の私利私欲が目に付く。

 そんな中、「中道改革連合」が設立された。

 「持てる者(資本家)」に支えられる自民党と、「持たざる者(労働者)」を代表する社会党という二大政党のはざまで立ち上がり、どちらの党にも置き去りにされた主婦や零細企業などの労働者、高齢者や子どもたちを守るために力を尽くしてきたのが公明党だ。急激な物価高で貧富の差が激しくなり、食事に事欠く家庭もある中、長年「持たざる者」を支えようと活動してきた政治家たちが手を携えることは、当然の流れと考える。

 「国民があって国がある」の信念で常に国民に寄り添っていく。「中道改革連合」の結成は、そんな中道政治が広く定着する契機と期待している。高市政権の下、日本を戦争に近づけていくような政策への懸念が高まる中、平和を旗印として立ち上がったことも心強い。躍進に期待している。

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