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(支部会のために)暮らし守る予算・税制/公明の主張反映

公明新聞2025年1月12日付 3面

 2024年度補正予算、25年度予算案・税制改正大綱には、公明党の主張を受けて暮らしや事業者を守り、経済成長を促していく施策が数多く盛り込まれました。ここではテーマごとに主な内容を紹介します。

■(物価高賃上げ対応)地方独自の施策後押し/中小の価格転嫁を強化

 長引く物価高に対応するには、生活を下支えする施策をはじめ、賃金・所得を向上させる対策が重要です。

 物価高対策では、24年度補正予算で「重点支援地方交付金」を積み増しました。同交付金は、学校給食費の負担軽減やLPガス(プロパンガス)代補助など地域の実情に応じた支援策に使えます。公明党は議員のネットワークを生かし、各地で首長に各種支援策の実施を要請しています。

 また冬場は暖房需要で電気や都市ガスの使用量が多くなることを踏まえ、1~3月分の料金を支援。特に1~2月分は、電気が家庭向けの低圧で1キロワット時当たり2・5円、ガスが1立方メートル当たり10円を補助します。

 賃上げ支援では、日本経済を下支えする中小企業を応援するため、生産性向上に向けたものづくり補助金やIT補助金を拡充するとともに、省力化・デジタル化投資を強力に推進。持続的な賃上げの原資を確保するための価格転嫁対策も進めます。

 所得税が課され始める年収「103万円の壁」を巡っては、25年度税制改正大綱で第1段階として、25年分の所得から123万円への引き上げが決まりました。社会保険料の負担が生じる「130万円の壁」についても、より良い制度とするため議論していきます。

■(子育て・教育支援)多子世帯の大学無償化/高校生の扶養控除維持

 公明党の「子育て応援トータルプラン」を反映した、政府の「こども未来戦略・加速化プラン」の施策が大きく動き出します。

 大学など高等教育費の負担軽減では、4月から3人以上の多子世帯の授業料などを無償化します。また親の就労要件を問わず保育所を利用できる「こども誰でも通園」を制度化し、実施自治体数を拡充。26年度に全国展開することを踏まえ、保育士の処遇も改善します。特に1歳児に対する保育士の配置基準を見直し、運営費の加算措置を行うなど保育の質を高めます。

 公立学校の教員の負担軽減では、小学5、6年生で実施している「教科担任制」を4年生に拡大するとともに、教職員定数を5827人増員。「教職調整額」も4%から5%に引き上げ、30年までに段階的に10%へ増やします。

 児童手当拡充に伴い縮減や廃止などが取り沙汰されていた、高校生年代の子どもを持つ親の税負担を軽減する扶養控除(所得税38万円、住民税33万円)は、公明党の強い主張で現行水準を維持。大学生年代の特定扶養控除(所得税63万円、住民税45万円)も、アルバイトなどをする子どもの年収上限を150万円に引き上げます。住宅ローン減税は、借入限度額を上乗せする子育て世帯向けの優遇措置が1年間延長されます。

■(医療・福祉)職員の処遇改善、生産性向上

 医療・介護・障がい福祉分野の生産性向上・職場環境改善を図り、同分野での賃上げに向けた支援や、国民の命と健康を守る取り組みを強化します。

 医療分野では、ICT(情報通信技術)機器の導入など生産性向上に取り組む医療機関に経費相当分の給付金を支給。人件費にも充てられます。介護・障がい福祉分野では、一定の処遇改善加算を取得し、業務の洗い出しや棚卸しなど職場環境改善に取り組む事業所を支援。交付された補助金は取り組み経費や人件費に活用できます。

 中高年に多く、皮膚に痛みなどを伴う発疹が帯状に現れる帯状疱疹のワクチンについては、原則65歳の人を対象に今年4月から定期接種化され、接種費用の一部が公費で助成される見通しです。

 コロナ禍の教訓を踏まえた新たな感染症危機への備えでは、米国の疾病対策センターをモデルにした専門家組織「国立健康危機管理研究機構」を今年4月に創設します。

■(防災・減災)災害備蓄、避難所環境を整備

 能登半島地震の教訓を踏まえ、避難所環境の抜本的な改善を進めます。被災地で聴いた声に基づいた、公明党の政府への提案が随所に反映されています。

 24年度補正予算で新設された「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の一部を自治体の先進的な取り組みに活用できるようにし、トイレカー、キッチンカー、簡易ベッドなどの備蓄を支援します。

 また、自治体などが保有する災害対応車両やトレーラーハウスを把握するための国の登録制度を創設し、情報を蓄積するデータベースを構築。迅速な被災地派遣につなげます。現地で支援に当たるNPO法人などへの交通費も一部補助するほか、災害時に避難所にもなる学校体育館へのエアコン設置を加速させます。

 25年度予算案では、上下水道の耐震化に向けた補助事業を創設。地方創生のための交付金や、内閣府防災担当に関連する予算、人員をそれぞれ倍増し支援策を強化します。