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介助犬、おとなしくできたね/県議会の傍聴で実地訓練/愛知県

公明新聞2026年4月9日付 6面

 障がいのある人の日常生活を助ける介助犬。このほど、愛知県議会本会議場の傍聴席に初めて介助犬が入場した。静粛な場での実地訓練と、介助犬への理解促進が目的。公明党の岡明彦県議が実現に尽力した。

 入場した介助犬は2頭。1頭は、豊田市に住む車いす利用者の山内稔さんに寄り添う「グラディス」だ。山内さんはバイク事故による脊髄損傷で車いす生活となった。数年後、介助犬の存在を知ってユーザーに。グラディスは山内さんが落とした物を拾ったり、携帯電話を取ってきたりするなど、欠かせない存在だ。

 もう1頭は、長久手市にある社会福祉法人・日本介助犬協会の施設で訓練中の「ピト」。訓練士の水上言さんが車いすに乗り、共に入場した。2頭は、開会を告げるベルの音や議員の大声が響いても、おとなしく車いすの隣で横たわっていた。

 同席した日本介助犬協会の高柳友子理事長は、商業施設や飲食店など騒がしい場所での訓練は日常的に実施できるが、静粛な場を選んでの訓練は理解を得るのがなかなか難しいことを強調。「訓練犬が議会を傍聴した実績は、知る限り全国で1件のみ。(それに続き)愛知県議会が受け入れてくれたのは、非常に大きな一歩」と意義を語る。

 本会議の後、ピトの様子を見守った水上さんは「いろいろな場面を経験させることが大切。今日は緊張感のある場で急に大きな音を聞いても落ち着いていて、良い訓練になった」と述べた。山内さんは「議会という場でもおとなしくしていた介助犬の姿を通して理解が進み、飲食店などでの受け入れが広がってほしい」と期待を話した。

■アジアパラ競技大会を前に啓発

 愛知県は今年10月、アジア最大級の障がい者スポーツ大会「アジアパラ競技大会」を開く。介助犬を利用する選手や観戦者が多く訪れると見込まれ、飲食店やホテルで介助犬の同伴を拒否されない環境づくりに努める必要がある。

 岡県議は、介助犬が受け入れられる社会を築くための啓発として、介助犬の議会傍聴とメディアによる報道を考案。日本介助犬協会に提案するとともに、実地訓練を受け入れるよう、党県議団として県議会各会派に働き掛けていた。訓練の模様は、地元紙・テレビに紹介された。