高齢者のデジタルデバイド(情報格差)解消に向けた東京都のスマートフォン(スマホ)購入支援事業が現在、都内の各自治体に広がりを見せている。物価高対策として15歳以上の都民に1万1000円相当のポイントを付与する事業の恩恵を、スマホを持っていない高齢者へ届けるために都議会公明党(東村邦浩幹事長)が提案し、実現したものだ。 ■情報格差是正へ高齢者に上限3万円 「スマホ一つで何でもできる時代。買えて良かった」と笑顔で語るのは、東村山市に住む石丸博明さん(90)。先月、都の事業を利用してスマホを購入した。「東京アプリ生活応援事業」による1万1000円相当の東京ポイントも無事に取得。今後、携帯で写真を撮る技術を磨こうと意気込んでいる。 都は、一定の基準を満たしたスマホを初めて購入する65歳以上の住民に対し、購入費補助を実施する区市町村を財政支援する。都公式アプリの登録や都の公式LINEアカウントの「友だち追加」、購入店が実施するスマホ教室での基本操作の講座を受講することなどが条件。1人当たりの支援額は、スマホの本体や充電器の購入費で上限3万円まで。 本紙の調べでは6月30日現在、スマホ購入支援事業を実施しているのは都内18区市。各地で公明議員が推進している。今後の実施を決定、あるいは前向きに検討しているのは16区市町村に上り、さらに広がる可能性がある。今月15日から開始する渋谷区は、独自に補助を上乗せし、1人当たり上限5万円までの支援を決定している。 都によるスマホ購入支援事業は昨年度から開始しているが、今年度から都は各自治体への補助の規模を拡大。従来は1自治体当たりの予算を1000万円として計上していたが、高齢者の人口規模に応じて最大で同4500万円に増額した。より多くの人に利用を促したい考えだ。 ■都議会公明党が提案し実現 都は今年2月から、物価高対策として15歳以上の都民1人につき1万1000円相当のポイントを付与する「東京アプリ生活応援事業」を展開している。ポイントの付与は、27年4月1日まで。 都議会公明党は、長引く物価高対策としての同事業を一貫して推進してきた。その上で、スマホを持っていない高齢者らを含めて「物価高騰に苦しんでいる全ての都民が(事業に)参加できるよう、都として手だてを」などと、議会で繰り返し主張。昨年2月の都議会代表質問で、都側から「支援を検討する」との前向きな答弁を引き出し、実現に至った。 さらに都議会公明党は、スマホの操作が十分にできない人への対応として、今年2月や6月の定例会などで、障がい者や高齢者が同事業に参加できるよう代理申請の導入を要請してきた。これを受け、都は障がい者や要介護認定者を対象者に、配偶者や親子といった親族らを代理人にできる方向で検討を進めている。