東京都稲城市は、不登校の生徒に新たな学習の場を提供するため、市立稲城第五中学校内に「稲城チャレンジクラス」を4月から開設している。都が推進するチャレンジクラスの開設は、市内で初めてで、都内23校目。同クラスの伴走支援による成果に注目が集まる。 ■“オーダーメード”で学習指導 稲城チャレンジクラスの特長の一つは、生徒に合わせた学習指導。クラスを専任で受け持つ正規教員5人が、面談を通じて生徒の個別支援計画を作成し、一人一人のつまずき解消に向けた“オーダーメード”の授業を手掛ける。 さらに、学校で過ごす時間は、午前9時20分から午後3時までとゆとりのあるスケジュール。1コマ50分の授業を4コマ分実施している。また、生徒の多様な悩みの解決に寄り添うため、担任の教員だけでなく、通常学級の教員、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどがチームでサポートする体制を組む。 生徒の目線に立った細やかな配慮も心掛けている。チャレンジクラス専用の出入り口を設け、他の生徒と極力接触しないよう工夫を凝らす。学校行事も生徒の意向に沿い、オンライン形式での参加など柔軟な選択肢を用意している。 市教育委員会の担当者によれば、2025年度の市立中学校の不登校者数は約150人。チャレンジクラスを足掛かりとし「一人でも多くの子どもたちに寄り添っていきたい」と力を込める。 ■保護者「わが子の不安が希望に」 不登校支援を巡って市はこれまで、通常学級に通うのが難しい生徒に対して各中学校に設けた校内別室の居場所提供や、自立支援を目的とした市内の教育支援室「梨の実ルーム」の設置などを進めてきた。どちらも正規の教員が担当することはなく、学習支援の面で課題があった。 子どもをチャレンジクラスに通わせている保護者は「個別で学習計画を立ててもらえることを知り、わが子が抱えていた将来への『不安』が『希望』に変わった。子どもに応じた柔軟な対応にとても感謝している」と述べた。 不登校支援の充実を巡っては、市議会公明党の津野地寛美幹事長が10年以上にわたって一貫して推進。23年12月の定例会では、教室に入ることが難しい生徒が安心して学習できる環境を整えるよう提案していた。