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25年度予算案、衆院通過/与野党協議の内容反映/「年収の壁」引き上げ、高校無償化
■与党と維新が賛成
自民、公明の与党両党が提出した2025年度予算案と税制改正関連法案の両修正案は、4日午後の衆院本会議で、自公両党と日本維新の会の賛成多数で可決され、参院に送付された。立憲民主、国民民主両党などは反対した。修正案には、自公両党と野党との3党協議を踏まえ、所得税が課され始める年収「103万円の壁」の見直しや高校授業料の無償化などを反映した。
■(29年ぶり国会修正)赤字国債、追加発行せず
予算修正案の一般会計総額は、政府の当初予算案から3437億円減の115兆1978億円。歳出の追加分は、予備費の減額などで対応し、赤字国債は追加発行しない。当初予算案の「国会修正」は1996年以来29年ぶりで、減額修正は55年以来70年ぶり。
修正案では、2026年度からの高校無償化に向けた先行措置として、公立、私立問わず全世帯を対象に公立高校授業料に相当する11万8800円を支給(25年度分)し、所得制限を事実上撤廃。
「103万円の壁」見直しでは、公明案を基に、所得税の課税最低限を160万円に引き上げ。年収200万円以下の人を対象に、基礎控除を政府案から37万円上乗せする恒久的な措置を講じる。併せて、26年までの2年間、年収200万~850万円を三つの区分に分け、非課税枠を政府案から5万~30万円上乗せする。納税者の8割強となる4600万人が対象となる。また、税制改正関連法案の修正案の付則には、今後の物価上昇に応じた基礎控除などの引き上げを規定した。
予算案にはこのほか、公明党の主張を踏まえ、昨年10月から始まった児童手当の所得制限撤廃や高校生年代までの支給延長を通年で行う経費を計上。税制改正関連法案では、大学生世代(19~22歳)の子どもがいる親の税負担を軽減する特定扶養控除について、対象となる学生の年収要件を150万円に引き上げる。
■本会議で山崎氏が討論
本会議では採決の前に、公明党の山崎正恭氏が賛成討論に立ち、25年度予算案と税制改正関連法案の年度内成立、早期執行に向け与野党の枠組みを超えた賛同を訴えた。
4日午前の衆院予算委員会では、締めくくり質疑が行われ、公明党から河西宏一氏が質問、大森江里子氏が賛成討論に立った。その後、与党の予算修正案を自公と維新の賛成多数で可決した。
■年度内成立へ努力/斉藤代表
公明党の斉藤鉄夫代表は4日夕、国会内で記者団に対し、自民、公明の与党両党の提案で修正された2025年度予算案と税制改正関連法案が衆院を通過したことを受け、大要次のような見解を述べた。
一、少数与党の中、予算案が衆院を通過したことは大変喜ばしい。予算案には国民生活を守るために必要不可欠な項目が用意されている。4月1日から執行することが非常に重要であり、与党が結束して年度内成立に向けて努力したい。
一、修正協議をしてきた国民民主党の賛成を得られなかったことは残念だが、誠実に議論してきた結果、幅広い所得層に及ぶ減税が実現できたことは良かった。野党各党と協議を誠実に積み重ねながら、国会を運営していきたい。