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(交通空白解消へ実証実験)離島で公共ライドシェア/観光、生活の新たな“足”/長崎・佐世保市の黒島

公明新聞2026年1月6日付 7面

 離島観光の新たな“足”へ--。長崎県佐世保市の離島・黒島で現在、地域住民が自家用車などを使い、人を送迎する事業「公共ライドシェア」の実証実験が今月16日まで実施されている。交通空白地の解消に力を注ぐ佐世保市議会公明党(佐藤文子代表)はこのほど現地を訪れ、本格運行に向けた課題を探った。

■地域住民がドライバーに

 黒島は、長崎県北西部の沖合に点在する大小208の島々「九十九島」の中で、最も大きな有人離島。世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する12の資産や手つかずの自然など、豊富な観光資源が島内各所にある。

 国内外から観光客が訪れる黒島だが、島内にはバスやタクシーなどの公共交通がない。港から島の中心部までは徒歩20分ほど。観光や生活における移動手段の確保が大きな課題だった。

 市は今年度、交通空白解消に向けた自治体の試みを国が支援する「『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」を活用。黒島観光協会や民間企業、地域住民にも協力を呼び掛け、昨年11月中旬から「公共ライドシェア」の実証実験を開始した。

 公共ライドシェアは、利用者が乗り降りする場所を自由に指定できるのが特徴。電話かインターネットで観光協会に予約すると、運転手登録している住民が、自家用車で目的地まで送迎する。

 今月16日までの実証実験期間は利用料無料。基本運行は午前9時~午後3時半だが、朝夕に予約が入った場合も対応する。ドライバーの一人である観光協会のスタッフは「道の起伏が多い島なので、移動の負担を少しでも減らせたら」と語る。

 また、公共ライドシェアでは、一度に複数箇所への移動も可能。例えば利用者が「島内の観光スポットを5カ所巡った後、港まで送ってほしい」と予約時に伝えると、観光協会がドライバーに最適なルートを伝え、利用者の滞在時間などを考慮しながら、案内してくれる。

 観光スポット以外でも、車両が通行可能な場所であれば、どこでも行き先に指定できるため、住民の買い物や通院などを助ける移動手段としても役立っている。観光協会の担当者は「利用した観光客や住民の評価は高く、ぜひ続けてほしいとの感想が寄せられている」と話した。

 市は今回の実証実験で得た情報を基に、2026年度以降の本格運行につなげる考えだ。市の担当者は「持続可能な事業となるよう、運転手確保や外国人観光客の対応強化に取り組む」と意気込む。

■公明市議、強力に後押し

 公共ライドシェアの導入については、佐世保市議会公明党の大塚克史議員が24年12月議会で強力に後押し。佐藤代表は「今後も、交通空白地域の移動手段確保につながる政策を全力で支援していく」と語った。