■賃上げ、足踏み状態に
■高騰分の価格転嫁困難
■原材料供給途絶を危惧
イラン情勢に伴う原油価格高騰の影響を把握するために中道改革連合、立憲民主、公明の3党が実施した緊急聞き取り調査(3月27日~4月13日)の結果がまとまり、個人・法人合わせて1万2000件を超える現場の切迫した声から、生活・事業の両面で深刻な影響が顕在化し、迅速な政策対応が必要な状況が浮かび上がった。3党は調査結果を重く受け止め、来週早々にも政府に提言して緊急経済対策を求める方針だ。
■物価上昇に強い実感、家計への打撃は深刻
調査は、全国の3党所属議員が実施し、個人7366件、法人5196件の計1万2562件の回答を集約した。
個人への調査では、物価が「上がった」と実感する人が98・2%に達した。原油・原材料費高騰が生活に「大きな影響がある」「やや影響がある」と回答した割合は計92・8%に上った。生活必需品の購入を控えざるを得ない層が過半数を占めており、家計への打撃が深刻であることが浮き彫りとなった。
法人への調査では、建築土木建設業や製造業、医療・福祉、運輸・物流業といった幅広い業種に聴取。原油・原材料費高騰について「大きな影響」「やや影響」との回答が計83・6%に上り、今後の影響予想を含めると97・1%に達した。
今後の賃金動向は「現状維持」が約半数の48・9%だった。「引き上げる予定」は34・1%にとどまり、賃上げの機運が足踏み状態に陥っている実態が明らかとなった。
■食料品消費税0%や資金繰り支援も期待
政策面で今後期待する支援(複数回答)は、個人では「電気・ガス料金の引き下げ(または補助の継続)」が最多の75・1%。「各種補助金の拡充(燃料費補助、生活支援給付金など)」が66・7%、「食料品消費税0%(または軽減税率の拡大)」が51・8%と続き、生活必需品に対する直接的な負担軽減策への期待が極めて高かった。
法人に関しては「各種補助金(事業再構築・ものづくり補助金など)の拡充」が75・1%で突出し、「資金繰り支援・セーフティネット保証の拡充」が41・3%に上るなど、運転資金確保と設備投資支援の両面からの支援が求められていることが明確になった。
このほか寄せられた意見として、日本の外交的リーダーシップを通じた根本解決を求める声が相次いだ。また、原材料の高騰分の価格転嫁が困難であることや、イラン情勢の長期化から特定の原材料・部材の供給途絶に対する危機感を訴える声もあった。
中道の岡本三成政務調査会長は16日、記者団に対し「悔やまれるのは、(参院予算委員会で否決された)公明・立憲が提出した2026年度予算案の修正案が求められているような状況が、既に現場で起こっていることだ」と強調。緊急経済対策に関する提言と併せて、補正予算の編成も要請する考えを示した。





