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(能登災害)冬場の支援、万全期す/なりわい、インフラ再建加速/中野国交相が石川へ
能登半島地震から復旧途上の被災地を襲った豪雨災害が発生して2カ月となった21日、中野洋昌国土交通相(公明党)は石川県内各地を相次いで視察し、なりわい再建を下支えするインフラ復旧や、除雪の体制強化など、冬への備えに万全を期す考えを示した。
まず珠洲市に入った中野国交相は、1月の地震で堤防にヒビが入り9月には豪雨で上流から流れ込んだ土砂が堆積する被害に見舞われた珠洲大谷川や、土砂崩れに見舞われた斜面の復旧状況について、担当者から説明を聞いた。同行した泉谷満寿裕市長は、自治体に代わり国が工事を実施する権限代行も活用して復旧が進められている国道249号や「のと里山海道」について、迅速な復旧を訴えた。
続いて輪島市で中野国交相は、地震による大規模火災で焼失した観光名所「朝市通り」の現状を確認。中山由紀夫副市長は、がれきの撤去が年内にもおおむね完了すると説明し、朝市の復興に向けて継続的な支援を求めた。中野国交相は「できる支援はしっかりやっていく」と応じた。
このほか七尾市では、地震によって護岸が崩れるといった被害に遭った港湾施設の現状を確認。これには茶谷義隆市長が同行した。
■水道の応急復旧、年内完了へ尽力
視察後、中野国交相は記者団に対し、インフラ復旧などを進める中で、なりわいや暮らしの再建を後押しする考えを強調。国道249号の一部区間(輪島市門前町-珠洲市間)について、一部の大規模被災箇所では迂回路を使うものの、年内には車両の通行確保をめざすと表明した。豪雨で被災した水道施設の応急復旧の完了時期も「年内をめざしたい」と述べた。
また、全日本空輸(ANA)が12月25日から、「のと里山空港」と羽田空港を結ぶ航空便について、地震発生前と同じ1日2往復体制にしたいとの申請があったとし、「復旧・復興の一つのシンボルになる」と語った。
さらに、「これから冬を迎える。雪の影響で復旧・復興が止まらないよう、除雪の体制強化をしっかりやっていきたい」と力説。併せて、車両の滞留を解消する方策も講じていくと説明した。
今回の視察には、公明党石川県本部の江曽ゆかり七尾市議、田端雄市能登町議、笹川広美中能登町議が同行した。