自民党派閥のいわゆる“裏金問題”に端を発した「政治とカネ」の問題。国民の政治不信払拭と再発防止へ、公明党は政治改革をリード。2024年には改正政治資金規正法の成立にこぎ着けましたが、改革は道半ば。さらなる規制強化は不可欠ですが、与党は消極的な姿勢に終始しています。問題の経緯をおさらいしながら、与野党の動向などをまとめました。 ■Q.一連の経緯は ■自民党派閥巡る“裏金”、実態解明一向に進まず 問題の発端は23年12月。自民党派閥による政治資金パーティー券収入の一部を政治資金収支報告書に記載せず“裏金”化していたことで、東京地検特捜部が強制捜査に踏み切り、その後、派閥の会計責任者が虚偽記載の罪で起訴、有罪判決が確定しました。 自民は関係議員らを処分するも、対象者は不記載があった85人中39人のみ。衆参両院政治倫理審査会での関係議員の弁明でも実態解明には程遠く、説明不十分との指摘が相次ぎました。 同党は24年の衆院選で、裏金問題に関わった候補者の一部を非公認に、残りの候補も比例代表との重複立候補を認めませんでした。しかし選挙最終盤、非公認候補が代表を務める政党支部に対し同党本部が2000万円を支給する問題が発覚、多くの国民の批判にさらされました。26年衆院選で同党は問題に関係した候補を公認、比例の重複立候補も原則認めました。ただ「衆院選で自民が大勝し、みそぎは済んだと考えているのなら、国民を見くびっている」(7月10日付「毎日」)と言わざるを得ません。 ■Q.公明党の対応は ■他党に先駆け改革案発表/再発防止へ法改正を主導 公明は結党以来、一貫して「政界浄化」を掲げ、政治改革に挑み実現してきました。今回も24年1月、他党に先駆けて「政治改革ビジョン」を発表。後ろ向きな自民党に粘り強く働き掛け、同年5月に自公両党で政規法改正案の概要を大筋合意。同6月には再発防止へ、いわゆる「連座制」を強化する議員の責任・罰則強化や、政治資金の透明化に向けたパーティー券購入者の公開基準額を「20万円超」から「5万円超」へ引き下げる改正法を成立させました。 公開の義務がないため“不正の温床”と問題視されてきた「政策活動費」については、一切支給してこなかった公明党の主導で全面廃止を実現。24年の臨時国会では、政治資金を厳格に監査する「第三者機関」の設置や国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開と未使用分の国庫返納を義務付ける関連法も成立させました。 それでも、国民の政治不信は根強く、24年10月の衆院選では、自民党の裏金問題が争点となり与党は過半数割れ。25年7月の参院選も、与党は大幅に議席を減らしました。25年10月、公明党は自民との政策協議で、「政治とカネ」を巡る同党の対応について、明確かつ具体的な協力が得られなかったため、自民との連立に区切りを付けました。野党となっても他党と改正法案を国会に提出するなど、改革実行に挑んでいます。 ■Q.今国会の議論は ■与党の消極姿勢が際立つ/献金規制で透明性高めよ 企業・団体献金を巡る議論は、自民、日本維新の会の与党両党の消極的な姿勢で進んでいません。 今年3月には、中道改革連合と国民民主が企業・団体献金の規制を強化する政規法改正案を衆院に共同提出しました。一方、与党が提出した法案には規制強化の具体的中身はなく、政治資金の収入のあり方に関する検討を行い27年9月までに結論を出すという代物。専門家は「国会として結論を得ることができず、この期に至って学識経験者による合議制の組織に検討を委ねようとするものだ」(今年6月22日の衆院特別委で谷口将紀東京大学教授の意見陳述)と指摘しています。 与党は、衆院比例定数削減法案を提出するも「維新が求めた企業・団体献金の廃止を自民がのめないため、論点をすり替えた」(6月16日付「朝日」)と見られ、同法案の今国会での審議は見送りに。公明党は「政治資金の規制を強化し、透明性を高めて政治不信を払拭していくことこそ、本当の意味で身を切る改革」(西田実仁幹事長)として、6月末には国民民主とともに、企業献金の規制強化や政治資金の透明性確保を進める政規法改正案を参院に共同提出。「政治とカネ」の問題の決着に全力を挙げています。