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(ヤングケアラーの支援充実)法改正で自治体の役割を明確化/専門的な相談体制など環境整備も
日常的に家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」について、6月施行の改正子ども・若者育成支援推進法では、国や自治体が支援するべき対象として明文化された。今年度から全市区町村での設置が努力義務となった「こども家庭センター」を通じ、当事者に確実な支援が行き届く環境整備が進められている。ヤングケアラー支援を巡っては、公明党が「子育て応援トータルプラン」で提唱。党支援推進プロジェクトチーム(PT)を設置し、各自治体の取り組みを後押ししている。
ヤングケアラーは、自身を当事者と認識していない場合が多く、周囲の大人も深刻な状況に気付きにくい実態がある。
そこで国は、新たな支援の取り組みとして自治体ごとに役割を明確化した。具体的には、市区町村が実態調査を行い、こども家庭センターから学校などの関係機関を通じてケアラー自身に気付きを与え、家族の世話を外部サービスに代替するなど切れ目のない支援につなぐ。都道府県においては、①オンラインなどで個々の相談に応じ、状況や課題の整理②必要な支援に向けた市区町村への働き掛け③精神的ケアなど専門的な相談支援--など実施体制を整備。子どもや若者の複雑な心情にも十分配慮し、社会の理解を深める広報啓発に取り組むとしている。
■介護長期化でメンタル不調
東京都医学総合研究所などの研究グループは、ヤングケアラー状態が思春期に長期間続くと、精神的不調を訴えるリスクが高まるとの調査結果を14日までに発表した。2002年9月~04年8月に生まれた都内の児童2331人に対し、10、12、14、16歳の四つの時点を追跡調査。各時点で病気などを抱えた家族の世話について、「毎日もしくはほぼ毎日」と回答した児童をヤングケアラーと定義し、メンタルヘルスとの関係を分析した。
その結果、「毎日もしくはほぼ毎日」と回答した割合は各時点で約3%だった。2年以上ヤングケアラー状態だった児童は、ケアに携わっていない児童と比べると、抑うつ状態が14歳時点で2・49倍、自傷行為が16歳時点で2・51倍、自殺を想像・計画する「自殺念慮」は2・06倍に上った。
都医学研の西田淳志・社会健康医学研究センター長は、ヤングケアラーの状態は「祖父母との同居」の世帯が長期化しやすいと指摘。「学校や公的機関が早い段階で気付き、負担を減らす支援が重要」と話している。
■公明、地域格差の解消へ各地の取り組みを後押し
ヤングケアラー支援を巡っては、党PT座長の伊藤孝江参院議員が、21年3月の参院予算委員会で支援強化を主張した結果、菅義偉首相(当時)が「省庁横断で支援に取り組む」と答弁。これが追い風となり、厚生労働・文部科学両省の合同PTが設置され、省庁の垣根を越えた支援パッケージが策定された。その後も、地域による支援のばらつきを解消するため、各地の公明議員が実態調査や支援策を推進するなど、党を挙げて継続的に取り組んでいる。