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建設業、かっこいい!/担い手育成へ高校生向け講座/埼玉県

公明新聞2025年8月26日付 7面

 建設業界で働く誇りに触れてほしい--。さいたま市内で19日、土木・建設業の面白さを高校生に伝える「はたらく魅力実感講座」が開かれ、県立滑川総合高校ラグビー部の生徒32人らが参加した。講座は埼玉県建設業協会と県教育委員会が共同で開催。当日は公明党県議団(蒲生徳明団長)の尽力により、社会人ラグビーチーム「埼玉パナソニックワイルドナイツ」で活躍中の坂手淳史選手が応援に駆け付けた。

■働く魅力、現場で実感

 今回の講座は、朝9時半から午後4時にかけて実施された。普段は工業高校の生徒向けに県建設業協会が類似の見学会を開催しているが、“より多くの子どもたちに建設の世界を知ってほしい”と内容を拡充し、初めて専門学科以外の生徒を対象に開かれた。

 滑川総合高校の生徒たちは午前中、「チームビルディング」を題材に強い組織の作り方をゲーム形式で学んだ。昼食後は県内企業の社員が登壇。「チームで働く建設業は、災害から人々の命を守り、未来まで形が残るかっこいい仕事です」と熱弁した。

 その後は屋外に移動し、整備が進む荒川第二調節池の工事現場を間近に見学。熱中症対策に万全を期しながら、工事に携わる若手社員から仕事への熱意を聞いたり、ドローンやICT(情報通信技術)を駆使した最新の施工技術を体験したりした。

 生徒たちは建設業で働く人の熱量を肌で実感。女子マネジャーの小泉凛さん(16)は、現場で活躍する女性社員の姿に「とてもやりがいのある仕事だと知りました」と感動。部長の吉田光太さん(17)は「最先端の技術にビックリ。就職の選択肢の一つにしたいです」と瞳を輝かせていた。

 社会を土台から支える建設業界は今、深刻な人手不足に直面している。県建設業協会の北村学・業務部長は、「この世界の門をたたいてくれる生徒がいたら本当にうれしい。こうした機会を広げていけたら」と望んでいた。

■アスリートも応援、公明の提案で実現

 今回の講座には、サプライズゲストとして日本代表の経験を持つ現役ラガーマンの坂手選手も登場し、生徒たちは大興奮。坂手選手は皆と会話しながら工事現場を一緒に見学し、「ラグビーと建設業は、皆で一つの目標に向かって切磋琢磨し、成長していける共通点がある」と語っていた。

 アスリート派遣が実現した陰には、建設業界の担い手確保に取り組む公明党県議団の尽力があった。

 萩原一寿議員は今年3月、トップアスリートを学校に派遣し若い世代に建設業の魅力を伝えている株式会社WINNERSのプロジェクトに着目。萩原議員は6月の定例会で紹介し、建設業の人材確保へ「高校生に人気のあるアスリートの発信力を生かしてはどうか」と提案していた。