衆院解散・総選挙を経て初めて本格的な論戦が展開された特別国会は、前半を折り返した。公明党や、結成間もない中道改革連合の奮闘を追った政治部記者が前半国会を振り返った。
A 前半国会は、まさに異例ずくめの展開だった。そもそも、物価高への対応など重要課題が山積する中、高市早苗首相が1月に突如、衆院を解散、総選挙となったあおりで、2026年度予算案などの実質的な審議が1カ月ほど遅れた。
C その“ツケ”の代償となったのが国会審議だ。首相は2月の施政方針演説で「野党とも力を合わせ謙虚に政権運営に当たる」と声高に宣言していた。が、実際は予算案の年度内成立を掲げ、与党は「衆院で『数の力』に任せた一方的な審議短縮という『爪痕』を国会の記録に残した」(朝日)のだ。
B 驚いたのは、公平な立場で差配しなければならない衆院予算委員長(自民党)が次々と職権を使い、審議日程を決めていったことだ。野党の主張に全く聞く耳を持たず、職権による強引な決定は実に9回に上った。
A そのため、衆院予算委の審議時間は計59時間にとどまり、00年以降で最短となった。しかも、各省庁別の予算を詳細に精査する分科会は開かれず。首相が出席し、テレビで生中継される集中審議の時間も、前年の石破茂前首相の約40時間に比べ高市首相は10時間弱と大幅に減った。高市首相が出席しても「野党の質問に他の閣僚が代わりに答える場面も目立ち、首相が説明する機会は少なかった」(毎日)のが実態だ。
D 予算案が国民生活をきちんと支える内容になっているか。それをチェックするための熟議に徹するのが国会の役割だ。与党の対応は、その責任を放棄したも同然、国会軽視も甚だしい。マスコミ各紙や識者からも「健全な民主主義を揺るがしかねない問題」(朝日で大川千寿・神奈川大学教授)などと厳しい指摘が相次いだ。
■参院で年度内成立断念、「暫定」編成
C 一方で、予算審議の舞台が参院に移ってからは状況が一変。皮肉にも「首相側にとって、年度内成立の壁となったのが、参院自民」(朝日)だった。
B 参院では、与党が過半数の議席がないだけに、思い通りの国会運営ができず、結局、予算案の年度内成立を断念。暫定予算を組むことになり、26年度予算案は4月7日に成立した。高市首相は今でも「自身がこだわった2026年度予算の年度内成立がかなわず、参院自民幹部の国会運営に不満」(読売)があるようだ。
D 暫定予算の編成は、衆院審議の段階から野党が求めてきた。最初から暫定予算の編成に応じていれば、衆院でも充実した審議ができたはずだ。稚拙な国会運営と言わざるを得ない。
■“現場発”の質疑に徹した公明
A 論戦では、常に“現場発”、小さな声にも耳を傾けてきた公明党議員の質問が光った。例えば、司隆史参院議員は、2人乗り自転車の交通ルールを巡り「小学生以上の子どもも同乗させたいとの声が寄せられている」と問題提起。政府の説明を再三ただした結果、各都道府県警察の判断で対応できるとの答弁を引き出した。マスコミにも取り上げられ、話題を呼んだ。=2面に続く
■前半国会の主な動き
1月23日 通常国会の冒頭で高市首相が衆院解散 2月8日 衆院選投開票 17日 中道、立憲、公明3党代表が3党の連携強化を確認 18日 特別国会召集 20日 高市首相、施政方針演説 24~26日 衆参代表質問 3月2日 自民党が事実上、13日に26年度予算を採決する日程を提示 13日 予算が衆院通過、参院に送付 30日 暫定予算が成立 4月6日 立憲、公明両党が予算修正案を提出 7日 予算が成立、立公提出の予算修正案が否決 24日 中道、立憲、公明3党代表がイラン情勢の影響を受ける建設現場を調査 28日 中道、立憲、公明3党幹事長が官房長官にイラン情勢調査結果を反映した提言提出





