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年末に届く家計支援/物価高対策、公明が訴え実現

本日無料公明新聞2025年11月23日付 1面

 長引く物価高から国民の暮らしを守るため、年末に届く家計支援策として公明党が実現をリードした「年収の壁」の見直しに伴う所得税減税と、ガソリンの暫定税率廃止について解説します。

■(所得を増やす)納税者ほぼ全員に1人2万~4万円の減税

 今年分の年末調整や確定申告では、1人当たり年間2万~4万円の所得税負担が軽減され、手取りが増えます【図参照】。今年の税制改正で、所得税が課され始める年収「103万円の壁」を見直し、課税最低限を160万円に引き上げたことに伴う措置です。

 対象は年収2545万円以下の人で、納税者の99%、つまり、ほぼ全員が減税の恩恵を受けられます。現役世代だけでなく、所得税を納めている年金生活者が減税の対象に含まれる点もポイントです。

 今回の改正では、基礎控除を年収200万円以下の人で48万円から95万円に。給与を企業から受け取る人に適用される給与所得控除は、最低額を55万円から65万円に引き上げます。例えば、年収665万~850万円の単身の給与所得者であれば、年間3万円の減税となる計算です。

■アルバイト学生の親に新たな控除も

 一方、所得税を巡っては、アルバイトで働く大学生年代(19~22歳)の子どもを持つ親の「63万円の特定扶養控除」を適用する基準が緩和されます。

 従来は、子どもがアルバイトで年収103万円を超えると特定扶養控除がなくなり、世帯の手取りが減るケースもありました。今年の税制改正では、この基準が123万円に引き上がります。さらに「特定親族特別控除」が新設され、年収150万円までは親が63万円の控除を受けられるようになります。

 特定親族特別控除では、子どもの年収が150万円を超えても、188万円以下であれば段階的に控除額が減り、親の手取りが急減しないような仕組みとなっていることも特徴です。

 これらの控除は年末調整や確定申告の際に受けられます。

■(ガソリン安く)暫定税率廃止で1リットル25円軽減

 ガソリン税と軽油引取税には、本来の課税額に、いわゆる暫定税率が上乗せされています。公明党など与野党6党は、暫定税率を廃止することで合意。今臨時国会で関連法案を成立させる方針です。

 ガソリンの暫定税率(1リットル当たり25・1円)は今年12月31日、軽油の暫定税率(同17・1円)は来年4月1日に廃止され、負担が軽減されます。暫定税率は道路整備の財源に充てるための一時的な措置として1974年に創設されており、半世紀以上の時を経て廃止されることになります。

 廃止までの間は、買い控えや販売現場の混乱を防ぐため、販売価格を引き下げるために国が実施してきた補助金を段階的に増額することで、少しずつ価格が下がるようにしていきます。

 ガソリン補助金は2週間ごとに5円ずつ増額。11月13日に従来の1リットル当たり10円から15円に拡充されました。今後、27日に20円、12月11日に暫定税率と同じ25・1円になります【図参照】。軽油も補助金を引き上げ、11月27日に暫定税率と同じ17・1円に。暫定税率の廃止に伴い、いずれの補助金も終了します。

 経済産業省によると、17日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭小売価格は全国平均で169・8円。国の補助金の効果が表れており、2023年6月以来、2年5カ月ぶりに160円台となっています。

■即効性ある対策が急務/中間層まで恩恵幅広く/岡本三成政務調査会長

 いま、食料品をはじめ物価高の影響が国民生活を圧迫しています。公明党は、家計負担を軽くして手元に残るお金を増やし、食料品などに充てる、即効性ある支援を訴えてきました。

 「年収の壁」見直しに伴う所得税減税は、昨年12月から約3カ月かけて、公明案をベースに与野党の合意形成に努め実現。中間層まで幅広く恩恵が届くようにしました。

 ガソリン税などの暫定税率も廃止で与野党間で合意。廃止までは国の補助金を段階的に増やし、ガソリン・軽油代を下げます。

 政府の総合経済対策には、自治体独自で水道料金や食料品の負担軽減などを実行するための重点支援地方交付金の拡充や、電気・ガス代の負担軽減など、公明党の提案がいくつか反映されています。

 子ども1人当たり2万円を児童手当に上乗せする内容も盛り込まれましたが、十分ではありません。子どもがいない世帯、中間層にも支援が届くようにしないと国民からの期待に応えられないからです。

 この地方交付金を活用した支援内容は、各自治体・議会で決めます。公明党は、国と地方の議員ネットワークを生かし、早期実施に全力を挙げていきます。