■都議会公明党が現場を視察 花粉症の発生源を減らすため、東京都は現在、多摩地域に広がるスギやヒノキなどの人工林を伐採し、花粉発生の少ない苗木への植え替えを進めている。都の花粉症対策を推進してきた都議会公明党(東村邦浩幹事長)はこのほど、あきる野市と日の出町を訪れ、伐採現場を視察したほか、多摩産材の活用促進をめぐり関係者と意見交換した。あきる野市の大久保昌代、原田広子の各市議、志村隆昭あきる野第2支部政策部長、日の出町の嘉倉治、縄井貴代子の両町議が同行した。 ■多摩地域、3万ヘクタールの植え替え推進 東京都は、2005年に花粉症対策本部を設置し、花粉に関する調査研究や飛散予測などを含め総合的に対策を進めてきた。 このうち、発生源対策に位置付ける森林整備事業では、多摩地域の約3万ヘクタールに広がるスギやヒノキの人工林を伐採し、花粉発生が少ない苗木への植え替えを推進。森林の多くは個人や民間事業者が所有しているため、都側が森林を購入した上で実施する形だ。24年度までに814ヘクタールの伐採が完了している。 一行は当日、あきる野市内にある林道を訪れ、人工林の伐採現場を視察。案内に立った東京都農林水産振興財団・花粉対策室の担当者は「東京の山は急峻で作業が難しい。個人の所有規模も小さいので、それぞれの所有者から購入するのに時間がかかる上、コスト高になりやすい」と説明した。その上で「労働環境が厳しいため、林業の担い手不足への対応が必要だ」と強調し、所得向上や、一層の作業効率化に向けた機械導入の支援も訴えた。 ■地元産材の活用促進で林業振興も 一方、日の出町で一行は、切り出した多摩産材の価格動向や活用状況を調査した。原木市場がある多摩木材センター協同組合で、伊藤修専務理事と意見交換。伊藤専務理事は木材需要の低下により「近年、木材価格が下がり続けている」と指摘し、需要を喚起する必要性を主張した。 また、日の出町にある有限会社浜中材木店を訪れた一行は、浜中康一代表取締役から経営状況を聴取した。浜中代表取締役は、中東情勢の影響で機械の燃料代が上がり、製材コストが上昇していると説明。「まだ注文は減っていないが、今後は分からない。多摩産材の活用の幅がもっと広がり、需要が増えれば」と述べた。 花粉症の発生源対策を巡っては、都議会公明党が今年3月の都議会予算特別委員会で取り上げ、対応を加速させるために小池百合子知事から「伐採を担う人材を確保するため、林業経営体への支援を強化する」「多摩産材の需要拡大にも力を入れる」との答弁を引き出している。 一連の視察後、東村幹事長は「花粉発生源対策の川上から川下まで、現場の課題を聞くことができた。多くの人が悩む花粉症への対策を、林業振興と両輪で推進していく」と力を込めた。