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高額療養費、8月引き上げ見送り/首相表明、今秋までに方針決定/自公幹事長らに協力要請
公明新聞2025年3月8日付 1面
石破茂首相は7日夜、医療費が高額となった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」見直しに関し、今年8月に予定していた負担上限額引き上げを見合わせると表明した。今秋までに方針を決める考えも示した。
石破首相は、がんや難病の患者団体と面会した後、自民・森山裕、公明・西田実仁の両党幹事長と会談し、所要の手続きについて検討するよう要請。自民・小野寺五典、公明・岡本三成の両党政務調査会長が同席した。
政府は当初、上限額を2025年から27年にかけて3段階で引き上げる方針だったが、がん患者の団体などから、自己負担が増えれば治療が続けられなくなるとの声が上がっていた。
西田幹事長は2月4日の自公幹事長会談の際、1年間で4回以上利用すると上限額が下がる「多数回該当」利用者の自己負担が増加することに対し「何らかの対応が必要ではないか」と問題提起。治療が長期に及ぶ人たちの自己負担には柔軟な対応が必要との認識で森山幹事長と一致した。
これを受け政府は、多数回該当については現行のまま据え置くと修正。さらに首相は28日の衆院予算委員会で、今年8月の引き上げは予定通り実施した上で26年8月以降のあり方を今秋までに判断すると表明していた。