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備蓄米、円滑な流通へ/トラック協会に協力要請/中野国交相
随意契約による2022年産備蓄米20万トンの放出が29日、始まった。ある大手小売業者の精米工場には同日午前、12トンがトラックで運び込まれた。26日に同社が1万トンの売り渡しを申し込んでから、わずか3日。競争入札を通じたこれまでの放出に比べ、格段に早く小売業者の手元に届いた。政府は随意契約による備蓄米放出に向け、流通体制に万全を期す。
中野洋昌国土交通相(公明党)は放出前の26日の段階で、日本倉庫協会や全日本トラック協会などに対し、政府備蓄米の迅速な出庫や輸送への協力を呼び掛けた。
また28日には、国交省内で小泉進次郎農林水産相から、備蓄米を運ぶ際に物流網が停滞しないよう、協力要請を受けた。
小泉農水相は倉庫業者に対して、備蓄米を倉庫から小売業者の指定場所まで配送する際、迅速で滞りなく出庫することを要請。一方、運送業者に対しては配送トラックが遅滞なく手配できるよう、国交省の支援を求めた。中野国交相は「きめ細かな輸送ができるよう、必要な対応を行いたい」と応じた。
■地域格差の防止求める/参院委で窪田氏
備蓄米の円滑な流通へ公明党は国会審議で政府の対応を要請。29日の参院農林水産委員会で窪田哲也氏は、随意契約による備蓄米の売り渡しについて、地域格差が生じないよう、安定した価格の備蓄米が各地の街の小売店まで行き渡る重要性を指摘。「日本の離島も含めて全国津々浦々まで届けるべきだ」と強調した。
小泉進次郎農水相は「輸送費は国が負担し、離島の事業者が手を挙げれば、指定場所まで運ぶ。できる限り隅々に安価で届ける」と述べた。
また窪田氏は、需要が高まる備蓄米のネット販売によるトラブル対策に言及。コメ価格高騰につけこみ、サイト上で格安のコメを販売するとうたって代金をだまし取る詐欺への注意喚起の強化を求めた。
消費者庁は関係機関を通じて注意を呼び掛けていく考えを示した。