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閣議決定された政府答弁書(全文)
25日に閣議決定された公明党の斉藤鉄夫代表の質問主意書に対する政府答弁書は次の通り。
■非核三原則
一について
お尋ねの「非核三原則が、日本、周辺国の平和と安定に果たしてきた役割」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和四年四月二十日の衆議院外務委員会において、林外務大臣(当時)が「非核三原則でございますが、唯一の戦争被爆国としての我が国の立場を踏まえまして、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの点を歴代内閣が政策として明らかにしたものでございます。」と答弁しているところ、いずれにせよ、我が国は、戦後一貫して、平和国家として歩み、憲法の基本原則の一つである平和主義の理念の下で、我が国及び国際社会の平和及び安全のために最善を尽くしてきており、こうした立場に変わりはない。
二及び三について
高市内閣としては、令和七年十一月十一日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「現段階で、政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持しております。」、「戦略三文書の見直しについては、指示をしたところでございます。これから作業が始まります。今、断言する、これはこのような書きぶりになるということを私の方から申し上げるような段階ではございません。」と答弁しているとおりである。
四について
お尋ねについては、令和七年十一月五日の衆議院本会議において、高市内閣総理大臣が「核兵器禁止条約へのオブザーバー参加につきましては、国際社会の情勢を見極めつつ、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から慎重に検討する必要があると考えます。」と答弁しているとおりである。
五について
お尋ねの「二つの方向性を、今後どのように具体的に両立させていく方針なのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、非核三原則については一について並びに二及び三についてで、お尋ねの「核兵器禁止条約への対応」については四についてでそれぞれ述べたとおりである。
■存立危機事態
一について
御指摘の答弁については、令和七年十一月七日の衆議院予算委員会において高市内閣総理大臣が答弁した内容の一部である。
二及び三について
お尋ねの「認定基準、及び具体的な事態」及び「認定要件など」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府がその持ち得る全ての情報を総合して客観的かつ合理的に判断することとなるものであり、御指摘の答弁においてもその趣旨を述べたものであるところ、このような政府の見解については、お尋ねのように「完全に維持」しており、また、「見直しや再検討が必要」とは考えていない。
四について
御指摘の答弁については、令和七年十一月十一日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「存立危機事態については、実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断すると明確に申し上げており、ある状況が存立危機事態に当たるか否かについては、これに尽きます」と答弁しており、従来の政府の見解を変更しているものではないことについて累次にわたり明確に説明している。
いずれにせよ、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要であり、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが我が国の従来から一貫した立場である。
■斉藤鉄夫代表の質問主意書(要旨)
【非核三原則】
一、非核三原則が日本、周辺国の平和と安定に果たしてきた役割をどのように考えているか
二及び三、非核三原則を堅持する方針に変更はあるか
四、核兵器禁止条約の締約国会合や再検討会議へのオブザーバー参加をすべきだ
五、非核三原則の堅持と核禁条約への対応という二つの方向性をどのように両立させていくか
【存立危機事態】
一、(台湾有事を巡り)高市早苗首相の「存立危機事態になり得る」との発言内容は間違いないか
二及び三、存立危機事態の認定基準、具体的な事態に関する従来の見解や解釈を現在も完全に維持しているか。見直しや再検討が必要という認識か
四、個別事例を挙げて答弁を行うことは、国民や周辺国地域に誤解を与えるものではないか