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(〝地域の新たな担い手〟関係人口を増やす=2)食べもの付き情報誌/顔の見える流通が共感生む/株式会社雨風太陽代表取締役社長 高橋博之

公明新聞2026年3月3日付 4面

 東日本大震災をきっかけに、2013年7月、東北の生産者と都会の消費者を「情報」と「コミュニケーション」でつなぐ世界初の食べもの付き情報誌『東北食べる通信』を創刊した。東北の田舎の畑や田んぼ、海で自然と格闘しながら素晴らしい生産物を生み出している農家や漁師の姿、世界観、生産へのこだわりなどを取材し、約8000文字の物語に綴った大型冊子。それに、その生産者が育てた食材を付録として付けて、セットで都会に住む読者に届けるサービスだ。

 物語を読み、食材を料理し、家族や友人と食べる体験の後で、読者と生産者はSNSで双方向から結ばれる仕掛けをつくった。すると、読者からは「おいしくて感動しました」「こんなにおいしい物を作ってくれてありがとう」などの感謝の言葉が生産者に数多く寄せられた。生産者からも「こんな料理方法でもおいしいよ」「次の季節にはこんな食材も採れるよ」といった声が投稿され、情緒的な関係性が育まれていった。

 こうしたコミュニケーションをきっかけに、両者はイベントや現地訪問などリアルな場でも交流するようになった。そんなことを繰り返す中で、生産者と親戚付き合いに発展していくケースも生まれた。顔の見える流通は、生産者への共感を生み、結果として食材の付加価値を上げることにもつながっていった。その後、食べる通信モデル自体が共感を呼び、全国各地、海外にも飛び火し、全国33地域、台湾の5地域で創刊されている。

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