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災害法制に「福祉」明記/高齢者ら要配慮者の関連死防ぐ/公明推進、改正法案が閣議決定
政府は14日、被災者支援の充実などを柱とする災害対策基本法等改正案を閣議決定した。災害関連法制に福祉の視点が盛り込まれるよう、公明党が強力に推進してきた。
2024年元日の能登半島地震では、石川県内の死者数518人のうち災害関連死者数が290人に上り、直接死を上回っている(12日現在)。助かった命を救うための方策が喫緊の課題となっている。
法案では、高齢者ら要配慮者や在宅避難者などさまざまな支援ニーズに対応するため、公明党の訴えを踏まえて、関連法に「福祉サービスの提供」を明記。福祉関係者との連携強化が盛り込まれた。
広域避難時の避難元と避難先自治体間の情報連携により広域避難の円滑化も進めるほか、被災者支援に当たるボランティア団体などの登録制度を創設し、災害発生時の速やかな支援につなげる。
災害時に各省庁が被災自治体からの要請を待たない「プッシュ型支援」や、防災対策の司令塔となる役職「防災監」の内閣府への新設、水道などインフラの復旧・復興を迅速化させる取り組みも進める。
被災者への福祉的支援を巡って公明党は、東日本大震災の発災後に高齢者や障がい者など要配慮者への支援が置き去りになっていた状況を踏まえ、熊本地震や能登半島地震をはじめ災害のたびに支援の充実に奔走。多様な課題に対して伴走型で支援する「災害ケースマネジメント」などを推進してきた。
災害法制の見直しに向けては、24年3月の参院予算委員会で山本香苗参院議員(当時)が、災害救助法の救助の種類に介護などの福祉が含まれていないとして、災害法制に「福祉」を明記するよう強調。岸田文雄首相(同)が国会で初めて法改正に言及した。
さらに公明党は同月、災害法制見直し検討委員会を設置し、被災地支援に携わる福祉関係者や団体、識者などと協議を進めてきた。