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訪日客に市議会を開放/児玉副議長(公明)ら津波警報受け即決/神奈川・鎌倉市
公明新聞2025年8月1日付 1面
ロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする大地震で太平洋沿岸を中心に津波警報が発令された7月30日、観光地である神奈川県鎌倉市は、避難者に市役所や議会棟を開放し、大勢の外国人旅行者らを受け入れた。児玉文彦副議長(公明党)や公明党の水上武史、岸本都美代の両市議が市職員と共に対応した。
午前9時40分に津波警報が発令された後、議会棟にいた中沢克之議長と児玉副議長は、訪日客らが市役所に避難してきた状況を知り、直ちに協議。「ちゅうちょせず受け入れるべきだ」と即決し、議会棟内の議場や委員会室、廊下などに目算で約500人を受け入れた。
■水や非常食の支給など奔走
議会事務局の職員らと総出で避難者用のイスをかき集め、庁舎に備蓄された水や非常食を支給しに回った。電車の運転再開を受けて避難者がいなくなる午後10時ごろまで奔走。対応が奏功し混乱は生じなかったという。
会社員時代に海外出張経験のある児玉副議長は、外国人からの問い合わせに英語で対応。「この場所は安全なのか?」との問いに「海抜9メートルで問題ない」と応じ、「海を見に行ってよいか」と聞かれた際は「危険だからダメだ」と注意を促した。
市議事調査課の担当者は「観光地での災害時には多くの訪日客も避難者となることを実感した」と話す。児玉副議長は「議会として、困っている人のため臨機応変に対応した良い前例が生まれた」と語った。